低コストでオフコン情報を集約し、予算編成の期間を半減(前編)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部)

2005-12-20 10:00

売上予算編成システム/リリカラ

 国内企業の多くは、メインフレームを見直し、ウェブベースのシステムを開発してきた。保守・運用コストを引き下げ、利便性を向上させようという狙いからだ。

 だが、国内のIT資産状況を見ると、いまだメインフレームを現役で稼働させている企業は多い。高い信頼性や可用性といった利点があるほか、大量のトランザクションを確実かつ迅速に処理する「OLTP能力」に優れているからだ。また、オープン系への移行コストがネックとなり、メインフレームを残さざるを得ない企業も多い。

 カーテンやカーペットなどのインテリア部材の製造・販売を手がけるリリカラも、オフコンを現役で使い続けている企業の1つだ。同社はそれらを使った情報共有を図るため、新たにウェブエミュレーターを導入。オフコンの信頼性と可用性を維持しながらも、ウェブシステムが持つ機動性を持ったシステムに改変した。以下では、同社が構築したシステムについて紹介する。

コスト削減を狙い
9台のオフコンデータを統合

 リリカラは、約30年前に、オフコンをベースとした在庫管理システムを構築した。同システムは、カーテンや壁紙などの注文があった際に、受発注処理とその在庫確認のために使うものだ。その後、事業の拡大とともに、営業所の数が増加。それに伴い、各営業所にもオフコン端末を設置していった。最盛期には、全国で60台を超す数を有するまでになった。

 90年代に入って、バブルが崩壊すると、他の企業と同様、リリカラでも巻き返しのため業務改革を実行した。その中核の1つが、受注センターの設置だ。

 それまで同社では、各支店の下にある営業所単位で、商品を受発注していた(図1参照)。これを、各支店に設置した受注センターで一括して受け付けることで、営業所の受発注業務の効率化を狙ったわけだ。特に、コストの削減について大きな効果を見込んでいた。

図1 eLECTRAN導入前後のシステム

 リリカラは、全国に5つの支店を持ち、約30の営業所がある。従来はこれらに最低2台のオフコン端末を設置していたため、全国では60台近くに上っていた。5年おきのリニューアルにかかる費用は1台平均40万円。受注センターを設立し営業所の端末を廃止すれば、総計で2千数百万円にも及ぶリプレース費用の大半が要らなくなる計算だ。

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