IDC Japanは5月10日、国内クライアントPC市場の2005年におけるユーザー動向および予測を発表した。
調査によると、2005年の国内クライアントPCのビジネス市場における出荷台数の前年比成長率は5.8%で、2004年の11.8%から急激に鈍化した。
ユーザー層別に成長率を見ると、大企業市場における2005年の前年比成長率は2.7%で、2004年の15.8%から13.1ポイントも低下した。2000年問題対策として2000年前後に大量導入されたPCの買い替えが2004年にピークを迎え、その後急速に減少したことが、成長率の急激な低下の要因と考えられる。
一方、他のユーザー層ではPC買い替えの波が大企業より遅れて発生しており、2005年の成長率は、中企業市場で7.9%、小企業市場では10.3%、スモールオフィス市場は17.3%と堅調に推移している。
IDC Japanパーソナルコンピューティング・リサーチアナリストの草野晃輔氏は「大企業市場で出荷台数を落としたベンダーが、成長している中小企業市場、スモールオフィス市場に注力すると予測している。競合が激化したことで、低価格化が進むとみられ、安価ながらも利益を生む戦略が必要になる。また、単なるカスタマイズ販売ではなく、ターゲットユーザーを明確にしたうえでニーズを先読みし、製品を提案するなど、案件に合わせた対応が不可欠となる」と分析している。