数カ月の延期の後、国際標準化機構(ISO)は米国時間5月8日、ついにソフトウェア資産管理(Software Asset Management:SAM)基準を発表した。同基準は、ライセンス問題に関する法的および財政上の脅威から企業を保護するために策定されたものだ。
ソフトウェア資産管理は、どのようなソフトウェア資産を使用しているのか、ライセンス料はいくら払っているのか、そして資産を活用することでどれだけの費用を節約できるのかを把握したいと考えている企業にとって、ここ数年間は重要な課題となっていた。
ソフトウェア資産管理の問題は、Business Software Allianceや、英国のFederation Against Software Theftだけでなく、ライセンスソフトウェアを不正使用している企業に対する罰則を明確にしたMicrosoftなどの活動のおかげで、以前にも増して注目されるようになっている。
ISO/IEC 17990-1で規定された新標準は、ISOと国際電気標準会議(IEC)が共同で発表したものだ。同基準は当初の2005年のリリース予定日に間に合わなかったため、2006年5月に公布されることになっていた。
Investors in Software (IiS) は基準の策定に関与した組織の1つで、この案件に4年間取り組んできた。
IiSは自身のウェブサイトに声明を掲載し、次のように述べている。「この基準の基調をなしている思想は、ソフトウェア資産を適切に管理する必要があるというものだ。適切な管理がなされていない組織は、法的および財政的に、重大な危険性にさらされるおそれがある」
IiSのShawn Frohlich氏は、基準が承認されたことを「5月8日の夜まで、企業は自身の資産を適切に管理することができずにいた。また企業は自身の資産が適切に管理されているか否かを検証することもできなかった。しかし、もう大丈夫だ。これからはこの基準を参照すればよい」と述べている。
しかし、ISOが発表したのは手順について書かれたPart 1のみだ。ツールを扱うPart 2は2006年内に発表される予定だ。
Part 1は危機管理、コスト節減、競争上の優位性といった項目で構成されている。
危機管理は、Frohlich氏が特に重視する分野だ。「以前は、管理に全く問題のないことを証明することはできなかった」と同氏はZDNet UKに語った。
危機管理は、ITサービスにおける障害の発生や機能の停止、法律および規制面で発生する問題、イメージの低下など、違法ライセンスから生じる問題を扱っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ