「Ubuntu Linux」の開発を支援するCanonicalは、オープンソースのプログラミング手法を、よりMicrosoftに対抗できるものにすることを目的とした取り組みの一環として、同社サービス「Launchpad 1.0」のベータ版の提供を開始している。
Launchpadは、バグの修正、ソースコードリポジトリの管理、新機能の計画など、Ubuntuの協同プログラミングプロジェクトの基盤を提供するウェブサイトである。Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるMark Shuttleworth氏は、より広く使用されるようになれば、統制がなく自由なオープンソースソフトウェアが、よりMicrosoftに対抗できるものになるだろうと考えている。
Shuttleworth氏は先週、同サービス開始後のインタビューに応じ、「Microsoftは、社内のある部門の開発者が、他の部門の開発者と関わり合えるような、効率的なコアインフラストラクチャを持っている」と述べた。「フリーソフトウェアの世界では、それに対抗しようとするならば、協同作業のレベルを強化する必要がある」(Shuttleworth氏)
Launchpadは、Ubuntuプロジェクトの運営のために開始されたものだったが、これからはほかのプロジェクトでも利用可能となる。現在は、Zope、Jokosher、SilvaCMSの3つのプロジェクトをホスティングしている。
このホスティングサービスからLaunchpadは、膨大な量のオープンソースプロジェクトをホスティングするVA Softwareのサイト「Sourceforge.net」に似ているようでもある。しかしShuttleworth氏は次のような相違点を指摘する。つまり、Luanchpadは現時点では、プロジェクトのウェブページをホスティングしたり、議論の場であるメーリングリストを運営したりはできないという点である。Shuttleworth氏によると、Canonicalは、今後メーリングリストをサポートする予定であり、またウェブページのホスティングについても検討中であるという。
Shuttleworth氏によると、同社の目的は、他のホスティングサイトの活動を横取りすることではないという。同氏は、「われわれは人々に対し、独自のインフラストラクチャを捨ててLanchpadを採用するようにと働きかけようとは思っていない 」と述べた。例えば、Launchpadの機能の1つに、Launchpadで検出したバグを、他のサイトの関連するバグにリンク付けする機能がある。
Launchpadは、現在のところ完全にオープンソースソフトウェアというわけではないが、将来はそうなる予定であるとShuttleworth氏は述べた。
「Launchpadがオープンソース化する日を断言はしないが、必ずその日が来ると思う」と同氏は述べた。Shuttleworth氏が今すぐオープンソース化しない理由は、同プロジェクトが、互換性のない複数のバージョンに分岐することを望まないからであるという。
Launchpadは、プロジェクトのソースコードツリーから枝分かれした複数のブランチを管理するための、別のプログラマー向け協同プログラミングツールである「Bazaar」ソフトウェアもサポートしている。Bazaarを構築するためにCanonicalは、Hewlett-Packardで「Linux」カーネルを担当し、人々が書いたソースコードをコンピュータが理解するバイナリの命令列に変換するために複数のマシンを使用してコンパイルする「Distcc」を開発したリードアーキテクトのMartin Poole氏を採用した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ