Salesforce.comは米国時間4月18日、政治家向けのオンデマンドウェブベースCRMアプリケーション「Campaignforce」を発表し、政治キャンペーン分野に進出した。
Campaignforceのインターフェースは、簡潔にいうなら、Salesforceのダッシュボードに政治キャンペーン向けのいくつかの追加機能を加えて再パッケージしたものといえる。このCRMアプリケーションは大組織でも、市会議員のような小規模な草の根活動キャンペーンでも利用でき、価格は「Salesforce Political Campaigns Edition」のプロフェッショナル版が月額65ドル、エンタープライズ版が月額125ドルとなっている。
「これは21世紀の政治界向けのウェブダッシュボードだ。これを利用してスタッフ、方法、イベントをすべてウェブ上で管理でき、Web 2.0の力を活用できる」とSalesforce.comのグローバルパブリックポリシー担当シニアバイスプレジデント、Daniel Burton氏は述べる。
Burton氏によると、SalesforceのCRMアプリケーションの本質は、期間が限定されている政治キャンペーン組織には理想的だという。
ウェブベースであることから、コンピュータとインターネット接続のほかにはインフラはほとんど必要ないし、最小限の人員で動かすことができる。実装および統合作業はSalesforceのパートナー企業が行うという。
Salesforce.comと同様、Campaignforceでも予算管理などの機能を提供するが、顧客は献金者となり、営業スタッフが選挙スタッフに変わるだけだという。
通常のSalesforce.comでは在庫情報と営業情報が同期できるが、Campaignforceではその変わりにNetFile経由で献金情報を整理して連邦選挙委員会(FEC)に報告する。FECによる献金者情報の確認と自分たちの献金者リストを同期できるため、資金調達者は法的制限を満たしている献金者、さらなる献金を要求できる献金者を識別できる。また、いくつかの州選挙委員会のウェブサイトとリンクをはることもできる。
「NetFileは50州すべてに献金報告を行うわけではないが、主要な州はカバーしている」とBurton氏は言う。
さらには、献金者を特定の項目に応じて追跡し組織化したり、ウェブから一般的なデータを集計したり、他の候補者と比較した取り組みや結果を公表するといったこともできるという。
Campaignforceのマッシュアップ機能により、大学生のボランティアに頼ることなくオンラインメディアの監視を行える。ウェブベースのAPIを利用することで、たとえばYouTubeにあるBarack Obama氏のビデオへのアクセス数、Google上でのSam Brownback氏に関する検索クエリ数、Yahoo Newsに掲示されたJohn McCain氏に関する記事数なども把握できる。
また、投票率アップのための取り組みやキャンペーンイベントなどと結びつけて、Google Mapsでキャンペーンのコースをたどりながらスタッフやボランティアを管理することもできるという。
Salesforceによると、すでに共和党候補者のMitt Romney氏がCampaignforceを既に一部利用しているという。このプログラムは、Salesforceのパートナー企業、ComMittがRomney氏向けに特別に開発したものという。
Burton氏は、Romney氏以外のCampaignforce利用者を公開しなかったが、州政党や地域のキャンペーン団体がすでにSalesforce.comのカスタマイズ版を政治キャンペーン目的で利用していると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ