未来のソフトウェアはデスクトップに縛られず、インターネット経由のサービスとしてのみ運用されるようになるという話が各所から出ているが、Microsoftの最高研究戦略責任者であるCraig Mundie氏はそのような見方に疑問を抱いている。カリフォルニア州ロサンゼルスで開催の「Windows Hardware and Engineering Conference(WinHEC) 2007」で「The Evolution of Computing(コンピューティングの進化)」という基調講演を行ったMundie氏は、部分的ながらソフトウェアの未来について述べた。同氏は、アプリケーションの高速化にはPCに高速なCPUを搭載する必要があり、これまでのような方法ではそれを実現することが難しくなりつつあるとして、デスクトップソフトウェアが壁に直面していることを認めた。
Mundie氏は米国時間5月15日午前、デスクトップPCとノートPCにおけるマルチコアプロセッサアーキテクチャの進化について講演した。同氏によると、今日のPCに搭載されている3GHzのデュアルコアプロセッサはもうすぐ3GHzの4コアプロセッサに取って代わられ、その後、将来的には3GHzの8コアプロセッサに取って代わられるという。新しいプロセッサには新しいソフトウェア言語が必要になる。そして、新しいプログラミング言語はPC、モバイル、インターネットといった複数のプラットフォームでプログラムを並行処理するようになるという。
Mundie氏によると、現行のソフトウェアは、どのPCに搭載されたCPUでも、そのポテンシャルを引き出せていないという。多くの場合はスクリーンセーバが起動し、バックグラウンドでは何の処理も行われない。Mundie氏は、PC用の新型のソフトウェアは(ウェブメールのダウンロードなど)頻繁に処理されるタスクを予想し、場合によってはユーザーがPCの前に座る前に処理を実行するなど、CPUのポテンシャルを完全に活用するようになる、との予測を示す。Mundie氏は、もうすぐPCが高速な並行処理の可能な「ワンチップスーパーコンピュータ」化するとすれば、インターネットベースのサービスにも、PCソフトウェア開発用の堅牢な新しい環境にも進化の余地はあると述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ