AMD、3コアプロセッサを計画中--2008年の投入を目指す

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-09-18 15:34

UPDATE 野球で1人の選手が1試合に単打、二塁打、三塁打、本塁打を記録することをサイクルヒットと呼ぶ。AMDは2008年に、チップ業界のサイクルヒットを狙っている。

 AMDは米国時間9月17日、2008年第1四半期にコアを3基搭載したデスクトップPC向けプロセッサを発売する計画を発表した。このチップは、「Phenom」ブランドで発売される計画だ。AMDは、2007年末までにPCメーカーに出荷予定の4コアデスクトップ向けチップにもPhenomのブランド名を付ける予定。

 AMDのマーケティングおよび戦略担当バイスプレジデントであるBob Brewer氏によると、同社が3コアプロセッサの発売を決断した背景には、4コアチップに対する需要が低迷しているとの認識があるという。現在、4基のコアを活用できるデスクトップソフトウェアの数はさほど多くない。また、現在のPC市場の成長の大半を支えているのはノートPC部門だ。しかし同部門では、4コアチップの普及が進んでいない。

 しかし、複数のアプリケーションを同時に使用する場合には、複数のコアを活用できるとBrewer氏は指摘する。よって、AMDは3コアプロセッサの価格を恐らく4コアチップよりも若干安い価格に設定したいと考えているだろう。

 ここで、AMDが3コアチップを発売する真の理由を探る。

 3コアPhenomチップは、4コアPhenomチップと基本的に同じであり、3コアモデルは単に稼動するコアの数が1つ少ないに過ぎない、とBrewer氏は認める。AMDが自社の4コアチップに採用したモノリシックな4コア設計の1つの欠点は、チップに1つでも製造欠陥が生じれば、4コアプロセッサ全体が台無しになる点だ。しかし、仮に3コアチップの新たなカテゴリを考案したとする。すると、1つのコアを不能にする欠陥を理由に廃棄を余儀なくされたであろう4コアチップを、突如、利益を生み出す製品に早変わりすることが可能になる。

 このような事情から、AMDが同社初の4コアチップで得る利益についてはさまざまな憶測を呼ぶ可能性がある。同社のサーバ向け4コアプロセッサ「Barcelona」は、詳細不明の「技術的欠陥」が原因でリリースが予想より6カ月遅れた。これらの欠陥は、利益に関係するかもしれないし、関係しないかもしれない。どのチップメーカーも利益については語ろうとしないため、それを確かめるのは極めて困難だ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]