解雇に直面したときにやるべきことは2つある。1つは、新しい仕事が見つかるまで身分相応に暮らすということである。そしてもう1つは、新しい仕事を見つけることだ。以下は、これら2つのことを目指すための方法である。
#1:すべての未払い金を会社に支払ってもらう
精算処理を行い、すべての未払い金を支払ってもらおう。退職まで2〜3週間ある場合には、退職までの経費申請書すべてを必ず提出するようにしよう。権利があるのにまだ受け取っていない有給休暇手当に相当する金額をすべて支払ってもらえるように、自身の休暇記録と人事部のそれとを比較し、不一致があれば解消しておこう(編集注:日本では、未消化の休暇を使用者が買い取ることは退職時にのみ認められるが、使用者側には買い取る義務はない)。
あなたがストックオプションを保有している場合、会社は解雇の際に、権利行使が可能なストックオプションを増やすことがある。こういったオプションを行使する際には、詳細な契約内容にも目を通しておかなければならない。権利行使のできる期間が限定されており、それを過ぎると権利を失うということも起こりうるからだ。
#2:最新の履歴書を用意し、求職活動を行う
ツテをたどって職を探すのと並行して、いくつかの企業に自ら履歴書を送付することになるだろう。多忙な人々の目にとまるような履歴書にする鍵は、記述を簡潔にすることと、応募する仕事と自分との関連性を明確にすることだろう。採用担当者の求めるものに応じて表書きを変える必要がある。また、自分が自発的に仕事に取り組む人間であるということと、いつでも仕事を始められるということを強調しておく必要もある。
#3:企業のウェブサイトを検索する
すべての仕事が大きな看板や新聞で求人されるわけではない。仕事を見つける1つの方法として、働きたいと思う会社のウェブサイトにアクセスし、「キャリア」や「仕事」と書かれたリンクを探すという手がある。こういった仕事は、社内の候補者が手に入れようと競っている可能性が高いものの、そういったウェブサイトを定期的にチェックするのはよいことである。口コミや、地元のビジネス出版物で「一流企業」についてリサーチして、優れた会社の存在に気付こう。
#4:収入源の一覧表を作成する
従業員を解雇する会社が失業手当の内容をチェックすることはほとんどない。失業保険プログラムは各州によって運営されており、企業は通常、解雇する社員に対して、基本的な規則やプログラムの連絡先を教えるだけだ。
失業期間中の見込み収入を算定する際には、以下の疑問への答えも考えておくべきである。
- 解雇手当(未払い分の賃金、未使用の休暇に対する手当など)の額をどこまで積み上げられるのか
- 働いている配偶者がいる場合、配偶者の収入でどの程度の支出をまかなうことができるのか
- 資金が乏しく、支出が高額である場合、赤字が大きくならないように、どんな仕事にでも(ハンバーグを焼く仕事にでも)就く必要があるか。そして、どの段階でその決断を下す必要があるのか
#5:支出に優先順位をつける
あなたは、巷でよく言われる、6カ月分の支出をまかなえるだけの流動性資産を保有しているだろうか?もし保有しているのであれば、おめでとうと言わせてもらいたい--失業における大きなストレスを避けることができるわけだ。もしも保有していなかったとしても、あなたは独りぼっちではない。
最近、抵当流れ処分を受ける人が増えている。あなたが住宅ローンを抱えているのであれば、支払を滞らせることがないよう全力を尽くすべきである。水道や電気、保険にかかる費用は通常、住宅ローンや家賃に次いで最大かつ最重要である。詰まるところ、水道や電気などを止められ、そのサービスを再開してもらうために必要となる費用は、もともと支払うはずであった料金よりも高くなってしまうのだ。
あればうれしいが必須というわけではないサービスや物品の購入をやめることで、倹約するよう心がけるべきである。よくあるものとしては、外食費やケーブルTV(特にプレミアムチャンネル)料金、5ドルのコーヒー代がある。
#6:保険を忘れないように
Ned Flandersが保険をかけていないのは、それが賭けごとの一種だからだが、あなたはSimpsonsのこのお堅い登場人物のようにリスクを抱えるべきではない。退職時には、自分の医療保険に対する雇用主の支払額の大きさに驚くことになるかもしれない。例えば、2週間毎に支払われる給与から45ドルが天引きされていた場合には、COBRA(退職した従業員が在職時の保険を継続できるようにする米国の法律)に基づいて在職時と同じ保障範囲を維持しようとすると、毎月400ドル以上を支払う羽目になる可能性がある。もちろん、家族に対する保障もあるプランの場合には、保険料はさらに高額となる。
COBRAの保険料を支払えないと思ったとしても、基本的な医療保険をかけないで済ませるべきではない。保障範囲ごとの見積もりを複数の保険会社からとるべきだ。高価な治療薬を必要としないのであれば、処方薬保障はおそらく不要だろう。自己負担額を高く設定する(1000ドル以上)ことで月々の保険料を低く抑えつつ、次の仕事を見つけるまでの間にあなた(あるいは家族の誰か)が重い病気にかかったり、重傷を負ったりした場合でも、財政破綻を避けることができるだろう(編集注:日本の健康保険制度は国民皆保険とされており、退職後は任意継続か国民健康保険への加入あるいは家族の被扶養者となることを選択することになる。任意継続と国民健康保険を比較してどちらの保険料が安くなるかは、在職中に加入していた健康保険組合と居住市区町村それぞれの適用する保険料の計算式・計算表によって異なる)。
#7:退職する会社での人間関係を絶たないようにする
退職時面接がある場合、会社や上司、あるいはかつての同僚たちに対する不満をぶちまけたい誘惑にかられるかもしれない。また、退職するまでの期間、システムをドキュメント化したり、残った仕事をやり遂げたりするのではなく、のんびり過ごしたいという誘惑にかられるかもしれない。復讐したいという衝動に負けてはいけない。何と言っても、その会社に残った人々と一緒に、あるいはそういった人々のために働くことになる可能性があるのだから。