MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)はフラッシュメモリよりもすぐれているのだろうか?これを証明しようとする新会社が誕生した。
Motorolaのチップ部門が独立したFreescale Semiconductorは米国時間6月9日、MRAMに特化した会社をベンチャーキャピタル数社と共同で設立すると発表した。
名称をEverSpin Technologiesというこの新会社は、リリースのなかで「スタンドアロン型のMRAMと磁気を利用した関連製品について、現行の製品ラインを拡大する」としている。
MRAMは従来型のシリコン回路構成に磁性材料を組み合わせて利用することで、永続的な高速性能ストレージデバイスを実現する。
ただMRAMは、フラッシュメモリベースのソリッドステートドライブ(SSD)など、急速に進化している技術と競争しなければならない。フラッシュメモリは、サムスン電子、東芝、Intelなどがより高速で大容量のデバイスを継続的に開発していることで、勢力を拡大しつつある。
(MRAMの詳細は「MRAM-info」を参照のこと。MRAMで利用されている技術について突っ込んだ説明が必要なら、こちらの電子スピンの説明と、スピントロニクスと呼ばれる分野が参考になる)
Freescaleは、MRAMの技術、関連する知的財産、および製品を新しいベンチャー企業のEverSpin Technologiesに移転し、同社の株を保有するとされている。EverSpin Technologiesはベンチャーキャピタル企業であるNew Venture Partners、Sigma Partners、Lux Capital、Draper Fisher Jurvetson、およびEpic Venturesから支援を受ける。
Freescaleのシニアバイスプレジデントで最高技術責任者(CTO)のLisa Su氏はリリースで「新会社を設立するこの決定は、MRAMの採用を加速させるのが目的だ」と述べている。
また、New Venture PartnersのマネージングパートナーであるSteve Socolof氏はリリースで「Freescaleの現在のMRAM製品は、市場で力強い牽引力をもっている」と語っている。
合意の一環で、EverSpin TechnologiesはMRAMの製造資産の所有権をもち、また本社をアリゾナ州チャンドラーに置く。
EverSpin Technologiesは、Freescaleによる現行のスタンドアロン型MRAMの顧客に対し、製品を引き続き供給する。また、Freescaleの組み込み製品で使われるMRAM技術についての供給も行う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ