エネルギーコストと環境への影響を低減する4つの施策 - (page 2)

文:Scott Lowe(TechRepublic) 翻訳校正:川村インターナショナル

2008-08-18 08:00

 *SANインフラストラクチャの採用。サーバ統合では、SANの導入を伴うことが多い。一般的にいうと、SANは直接的なコスト節減を念頭に導入されるものではなく、新たなレベルのサービスと高い可用性の実現を目的として導入される。しかし、SANを利用して、ITインフラストラクチャのグリーン化を支援することができる。サーバストレージのプロビジョニングで多くのIT組織が採用しているプロセスを考えてみてほしい。多くが長期的な視点から、後にディスクを増設しなくても済むようにと、必要以上のダイレクトアタッチドストレージを購入している。標準的な2Uサーバは6台のディスクを搭載できる。50台の2Uサーバがデータセンターに配備されている場合を想定すると、すべてが動作のために電力を必要とするディスクの総数は300台に達することになる。このような架空の構成が最もありがちなものだとすると、それらのサーバで、ダイレクトアタッチドストレージのほとんどは使われていないことになる。もしこういった企業が、30台から40台のディスクで構成されるSANを導入すれば、エネルギー使用の削減が図れるだろう。各サーバにはローカルOS用に2台ほどのディスクを搭載しておくだけでよいので、データセンターのディスク台数を300台から140台(2台×50サーバ+SAN 40台)にまで減らすことができる。省エネだけを目的にしてSANを導入してもコスト的には割に合わないが、サーバ統合プロジェクトとあわせて考えれば大きなメリットが得られるはずである。

 *ターミナルベースデスクトップまたは仮想デスクトップ(VDI)への取り組み。デスクトップインフラストラクチャを集中管理するメリットを企業が認識するようになり、今後数年内にデスクトップコンピューティングに何らかの「回帰」が起こる可能性がある。ここで「回帰」という言葉を使った理由は、集中管理型の端末からコンピューティングの歴史が始まり、再び戻りつつあるからである。回帰自体は別に悪いことではない。100台のデスクトップパソコンを保有する企業があるとして、そのデスクトップは、3台から4台のサーバでサポートされシンクライアントで置き換えることが可能だろう。豊富な機能を備えたパソコンに比べてシンクライアントは消費電力が少なく、しかもサーバファームで集中管理を行うことができるので、100台の独立したパソコンに比べてメンテナンスが容易になるというメリットがある。

 *エネルギー効率の高いパソコンやサーバの購入。組織全体の大規模な再構築を必要としない提案である。多くの企業でサーバについてもデスクトップについても、何らかの交換サイクルを迎えることになる。多数のコンピュータを入れ替える時期が来たら、購入を検討しているベンダーの電源オプションを確認してみてほしい。電源の効率は年々向上しているし、高効率の電源ユニットを提供しているベンダーもある。ベアボーンシステムの導入を検討する前に、高効率ハードウェアのコストや節減効果も分析すべきだ。システムをどのように使用しているかにもよるが、コスト節減の見通しが得られる可能性が高い。



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