MS、仮想化ライセンス要件をさらに緩和--ヴイエムウェア仮想マシンのサポートも開始

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、長谷睦

2008-09-04 13:06

 Microsoftは米国時間9月3日、8日に開催予定の仮想化製品発売イベントに向けて、仮想化に対するポリシーと仮想化製品のラインアップにさらなる大きな変更を加えると発表した。

 今回実施される変更には、企業ユーザーが自社のPCイメージを社員や請負業者の所有するPC上の仮想マシン内で実行することを許可する内容も含まれている。

 この変更に先立って、Microsoftはこのような利用方法をPC1台あたり年間110ドルかかる既存のライセンスプログラムの下で許可すると既に発表している。さらに今後、仕事用のPCイメージにリモートでアクセスする回数がそれほど多くないデスクトップPCの利用者は、PC1台あたり年間23ドルの追加料金がかかる新しいライセンスに加入すれば、同様の利用方法が許可される。ただし、そのマシンがMicrosoftの「Software Assurance」プログラムに加入していることが前提だ。

 MicrosoftのScott Woodgate氏によれば、今回の変更は、多くの企業が実際にこのような使い方をしていることに対応するものというよりは、Microsoftのライセンスポリシーによって企業の創造性が損なわれないようにすることが目的だという。

 ライセンスに関するもう1つの変更は、ホスティング企業が仮想化技術を使用してサードパーティー製のソフトウェアをストリーミング配信することを許可するものだ。もちろん、ホスティング企業は、そのような使い方をしても当該サードパーティー製ソフトウェアのライセンス条項に触れないことを確認する必要はある。

 Microsoftはまた、「App-V」(Application Virtualizationの略)と名付けられた「SoftGrid」技術の新バージョンも発表した。仮想化で今最も注目を集めているのは、コンピューティングタスクをあるサーバから別のサーバに移すというハードウェアの仮想化だが、Woodgate氏は、アプリケーションの仮想化がデスクトップPCにおいて大きな役割を果たす時が来たと語る。

 「ハードウェアの仮想化がサーバにとって重要なものであるように、われわれにとって、アプリケーションの仮想化はデスクトップPCにとって重要なものだ」とWoodgate氏は述べた。

 これとは別に、VMwareは3日、同社のハイパーバイザ「VMware ESX」が、最近発表されたMicrosoftの「Server Virtualization Validation Program」(SVVP)に正式に認定されたと発表した。これにより、Microsoftは、VMwareの仮想マシン内で実行されるソフトウェアを仮想マシン外で実行されるプログラムと同じようにサポートすることになる。Microsoftはこれまで、仮想マシン内で発生した問題については、その問題が仮想マシン外でも再現されない限りサポートを受け付けないという方針をとっており、仮想マシンへの依存度が高いユーザーにとっては大きな悩みの種となっていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]