HP、ネットブックに「Android」OS搭載を検討--WSJ報道

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、高森郁哉

2009-04-01 11:48

 Hewlett-Packard(HP)の幹部が、低価格ネットブックにGoogleのOS「Android」を搭載することを検討している、とThe Wall Street Journal(WSJ)に語った。

 WSJは米国時間3月31日に掲載した記事の中で、HPのPC部門担当バイスプレジデントを務めるSatjiv Chahil氏がGoogleの同OSを研究していることを認めたと報じた。

 WSJの記事では、「われわれは、コンピュータおよび通信業界から見たAndroidの性能を評価したいと考えており、そのため研究を進めている」というChahil氏の発言が引用されている。

 記事によると、HPがAndroid搭載機器の販売を検討しているかどうかについては、Chahil氏は言及を避けたという。

 Androidは、もともと携帯電話向けに設計されたLinuxベースのOSだ。現在入手できる製品でこのOSを採用しているのは、High Tech Computer(HTC)製の携帯電話「T-Mobile G1」だけだ。HTCは2009年2月、Androidの搭載を予定している新しい携帯電話「HTC Magic」を発表した。サムスンやMotorolaなど携帯電話メーカー数社も、Androidベースの携帯電話を売り出す計画を発表している。

 だが、専門家は現在、オープンソースOSのAndroidが、ネットブックと総称される急成長中の低価格ノートPCなど、他の機器に搭載される可能性があると予測している。実際、市場調査会社のOvumは最近、メーカー各社がネットブックの価格を200ドル前後かそれ以下に抑えようとしていることから、2009年にはAndroidを搭載したネットブックが登場するだろうと予想した。

 理由は簡単だ。AndroidのようなLinuxベースのソフトウェアが無償であるのに対して、MicrosoftはOS「Windows」に高額なライセンス料を課金している。超低価格を目指すなら、メーカー各社はできるだけコストを削減する必要があるが、これはWindows離れを意味する。

 問題は、大半の消費者はWindows搭載PCに慣れているので、オープンソースOSのLinuxを採用したネットブックよりもWindowsベースのネットブックを好むことだ。

 Ovumのオープンソース調査担当ディレクターを務めるLaurent Lachal氏は、Androidがこうした傾向を覆すかもしれないと考えている。特に、Androidソフトウェアを搭載する携帯電話が増え、GoogleのAndroid向けアプリケーションストア「Android Market」が新しいアプリケーションの品ぞろえを増やしている状況から、そうした変化が予想されるという。

 Android Marketは、2009年2月から個人のソフトウェア開発者がアプリケーションを有料で販売できるようにしたので、開発者コミュニティから一層の支持を集めるだろう、とLaurent氏は予想している。

 HPは以前から、MicrosoftのWindowsに代わる低価格で使いやすいネットブック用インターフェースを提供する方法を模索していた。同社は2008年10月、カジュアルなオンライン使用を想定した「Mini 1000 MIE」を発表した。これは、「Windows XP」を採用した「Mini 1000」ネットブックのLinuxバージョンという位置づけだ。Mini 1000では8.9インチまたは10.2インチの画面を搭載するモデルが449ドルなのに対して、Mini 1000 MIEの価格は379ドルとなっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. 開発

    「スピード感のある価値提供」と「高品質な製品」を両立させるテスト会社の使い方

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]