IDC Japanは5月31日、2010年第1四半期(1〜3月)の国内サーバー市場動向を発表した。
同社によると、第1四半期の国内サーバ市場は、出荷金額では2桁のマイナス成長だったが、出荷台数では2桁のプラス成長となった。市場規模は前年同期から16.8%減の1297億円で、7期連続のマイナス成長。一方、出荷台数は前年同期から10.2%増の15万9000台で、7期ぶりのプラス成長となった。
2010年第1四半期の市場動向を製品分野別にみると、出荷金額がプラス成長の製品はないものの、メインフレームが前年同期比2.6%減、x86サーバが同2.4%減と、小幅の縮小にとどまった。メインフレームは、富士通、NEC、日本ユニシスで大型案件があったこと、またx86サーバでは文教向け、情報サービス業向けなどで大口案件があったことから出荷台数が堅調で、出荷金額の減少を食い止めたとIDCではみている。
ベンダー別では、出荷金額の首位は3期連続で富士通となった。今期もメインフレームの大型案件が貢献したとIDCは分析している。富士通のメインフレームは、3期続けてプラス成長と好調だ。2位は、今期RISCサーバで大型案件があった日本IBMで、3位はNECとなった。IBMとNECのシェアは0.5ポイントを切る僅差だった。4位は、今期x86サーバとIA64サーバが好調で、出荷金額がプラス成長とっなった日本ヒューレット・パッカード(日本HP)。5位は日立製作所という結果になった。一方、出荷台数では日本HPが1位だったが、2位のNECとの差はわずか0.2ポイント。3位以下は、富士通、デル、日本IBMの順となった。
IDC Japan サーバーリサーチマネージャーの都築裕之氏は「出荷台数は、x86サーバの出荷が大幅に増えたことがプラス成長に貢献した。しかし、出荷金額ではx86サーバの平均価格の下落が響き、マイナス成長となった」と指摘した。また、出荷台数が7四半期ぶりにプラス成長となったことに関して「今期は、x86サーバで1000台を超える大口案件があった。まず、文教向けの『スクールニューディール』用途で7000台。また、流通業向けにも2000台の案件があったほか、情報サービス業向けの大口案件が多数あった。2008年後半から、景気後退の影響により出荷台数の低迷が続いていたが、今期は文教向けの特需を差し引いて見ても上昇基調の兆しがある。ユーザー企業のサーバへの投資が戻りつつある」と説明している。