Qualcommは、スマートフォンおよびタブレット向けに、同社初のデュアルコア「Snapdragon」プロセッサのサンプル出荷を開始した。
Qualcommは米国時間6月1日、このARMベースのSnapdragonは最大1.2GHzのクロック速度で動作し、機器メーカー各社が同プロセッサを搭載するハンドセットの設計に着手していると述べた。同社によると、Snapdragonの第3世代となるマルチメディアに特化したチップセットは、グラフィックスアクセラレーション「OpenGL ES 2.0」および「OpenVG 1.1」をサポートし1080pの高解像度動画のエンコードおよびデコードを実行するGPUを搭載し、24ビットのWXGA(1280×800ドット)ディスプレイに対応するという。
Qualcomm CDMA Technologiesの社長を務めるSteve Mollenkopf氏は、声明で次のように述べた。「Qualcommの第1世代Snapdragonチップセットは高機能スマートフォンおよびスマートブック機器向けに新しい標準を作り、第2世代ソリューションはすでに量産出荷されている。当社の顧客がデュアルコアチップセット『MSM8260』や『MSM8660』を採用する製品の開発に着手する中、彼らがすでに提示しているイノベーションによって、われわれは大いに刺激を受けている」
MSM8260およびMSM8660プロセッサはまた、省電力型の音声エンジンと省電力型のGPSも搭載する。もう1つのデュアルコアSnapdragonプロセッサ「QSD8672」は、最大1.5GHzで動作する。旧世代のSnapdragonプロセッサは、「Android OS」を搭載するGoogleの携帯電話「Nexus One」や、「Windows Mobile」を搭載する東芝のスマートフォン「TG01」などの携帯電話に採用されている。
モバイルプロセッサ分野における競合は、Texas InstrumentsやSamsungなど、ARMのライセンシーが大半を占めるが、Snapdragonの主要なライバルとなり得るのは「Moorestown」だ。Moorestownは、省電力型でx86をベースとするIntelの「Atom」プラットフォームの第1世代で、スマートフォンおよびタブレット市場をターゲットにしている。Moorestownチップセットの動作速度は、スマートフォンで最大1.5GHz、タブレットで最大1.9GHzとなるが、Intelはこれまでに、同プロセッサの電力効率はARMベースのチップセットに勝るものではないことを認めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。