IDC Japanは7月28日、国内に所在するデータセンターにおける物理インフラの現状と投資意向に関するユーザー調査の結果を発表した。この調査では、データセンターにおいて実施済みの省エネ対策として「環境管理の効率化」「省電力機器への交換」が多く指摘されたという。
環境管理効率化とは、サーバルームの温度や湿度、風量などについて、その設定値をきめ細かく制御するといった対策。省電力機器への交換とは、空調機器や照明機器といったデータセンターの設備や、サーバなどのICT機器を省電力タイプに交換するといった対策だという。省電力機器への交換では、具体的な交換対象として「空調機器」および「サーバ」が多く指摘されたという。また、これから「採用を検討したい対策」をみると、「省電力機器への交換」の回答が突出して多かった。次いで「自然エネルギーの活用」「設置台数削減」などが上位になったとする。
一方、データセンターにおける省エネ対策について、「採用を検討したい対策」と「実施済み対策」を比較してみると、採用を検討したい対策としては、「省電力機器への交換」「自然エネルギーの活用」「設置台数削減」「冷却手法の改善」「データセンターの規模最適化」が実施済み対策よりも多く指摘されたという。逆に、「実施済み対策」としての回答が多かったのは、「環境管理効率化および緻密化」「断熱性能の向上」「システム運用管理効率化」だったとする。
データセンター新設の計画や意向の有無について、回答企業316社のうち24.7%にあたる78社は「計画もしくは意向がある」としている。さらに、2011〜2013年の3年間を開設時期に挙げた企業は各年10社以上あった。しかし、開設時期を「未定」とする企業も多く、15社にのぼった。また、データセンターの統廃合については、13.6%に当たる43社が「統廃合する意向がある」と回答しているという。
IDC Japan、サーバー リサーチマネージャーの福冨里志氏は、データセンターの統廃合について、「企業では、単に規模が小さいデータセンターから大きいデータセンターへ集約するだけではなく、より包括的な対応を模索している。まず、サーバなどの設置台数を仮想化やサーバ統合によって削減する。その上で、電源設備や冷却設備が陳腐化した建物を廃止して、適切な規模の省電力性に優れたデータセンターに統合したいといったニーズが高いと考えられる」とコメントしている。