Mozillaは、オープンソースブラウザ「Firefox 4」のリリースを2011年に延期した。この遅れは、フル機能を備えた最初のベータ版「Firefox 4 Beta 7」のリリースが難航していることを考えると驚くには当たらず、今回の措置によって競合各社にも余裕が生まれることになる。
Mozillaは2010年中のFirefox 4リリースを目指していたが、今回更新されたFirefox 4のスケジュールを見ると、最初のリリース候補(RC)版が2011年初めに登場する見込みとなっている。
MozillaでFirefoxのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるMike Beltzner氏は米国時間10月27日、メーリングリストのメッセージで次のように述べた。「Firefox 4の開発ペースは落ちておらず、日々力強い進展がある。しかし、われわれのアドオン開発者やサードパーティーのソフトウェア開発者による開発を支える『機能完全版』であるBeta 7のマイルストーンの完了が遅れていることと、Firefox 4正式リリースの準備のために残されている作業の量を考慮して、ベータ版とRC版のスケジュールを見直した。頻繁にベータ版をリリースすることは既存ウェブコンテンツとの互換性の問題を認識するうえできわめて有益なので、12月末にかけてベータ版マイルストーンのリリースを続ける計画だ。現時点でのわれわれの予測では、RC版のビルドが2011年初めの公開で、正式版のリリースはそのすぐ後になる」
Firefox 4は数カ月の間に6つのベータ版が登場し、Beta 7はここ6週間以上にわたって開発が熱を帯びているにもかかわらず、まだ提供されていない。リリースの遅れにつながっている大きな問題は、ウェブベースのJavaScriptプログラムを実行するFirefoxの旧エンジン「TraceMonkey」と、新エンジン「JaegerMonkey」の統合だ。
Mozillaの「ARE WE FAST YET?」サイトは、「Safari」とChromeのJavaScript実行速度に追いつこうとするFirefox 4の進展状況を示しているが、新たなJavaScriptエンジンの調整はなかなか難しいのかもしれない。Firefox 4 Beta 7の前には、いくつものJavaScriptに関するバグが立ちはだかっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。