モジラ、「Firefox 4」の正式リリースを2011年に延期

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、福岡洋一

2010-10-29 13:00

 Mozillaは、オープンソースブラウザ「Firefox 4」のリリースを2011年に延期した。この遅れは、フル機能を備えた最初のベータ版「Firefox 4 Beta 7」のリリースが難航していることを考えると驚くには当たらず、今回の措置によって競合各社にも余裕が生まれることになる。

 Mozillaは2010年中のFirefox 4リリースを目指していたが、今回更新されたFirefox 4のスケジュールを見ると、最初のリリース候補(RC)版が2011年初めに登場する見込みとなっている。

 MozillaでFirefoxのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるMike Beltzner氏は米国時間10月27日、メーリングリストのメッセージで次のように述べた。「Firefox 4の開発ペースは落ちておらず、日々力強い進展がある。しかし、われわれのアドオン開発者やサードパーティーのソフトウェア開発者による開発を支える『機能完全版』であるBeta 7のマイルストーンの完了が遅れていることと、Firefox 4正式リリースの準備のために残されている作業の量を考慮して、ベータ版とRC版のスケジュールを見直した。頻繁にベータ版をリリースすることは既存ウェブコンテンツとの互換性の問題を認識するうえできわめて有益なので、12月末にかけてベータ版マイルストーンのリリースを続ける計画だ。現時点でのわれわれの予測では、RC版のビルドが2011年初めの公開で、正式版のリリースはそのすぐ後になる」

  • 提供:Mozilla

 Firefox 4は数カ月の間に6つのベータ版が登場し、Beta 7はここ6週間以上にわたって開発が熱を帯びているにもかかわらず、まだ提供されていない。リリースの遅れにつながっている大きな問題は、ウェブベースのJavaScriptプログラムを実行するFirefoxの旧エンジン「TraceMonkey」と、新エンジン「JaegerMonkey」の統合だ。

 Mozillaの「ARE WE FAST YET?」サイトは、「Safari」とChromeのJavaScript実行速度に追いつこうとするFirefox 4の進展状況を示しているが、新たなJavaScriptエンジンの調整はなかなか難しいのかもしれない。Firefox 4 Beta 7の前には、いくつものJavaScriptに関するバグが立ちはだかっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]