NTTぷららは、ブロードバンド映像配信サービス「ひかりTV」のシステムにオラクルのインメモリデータグリッド製品「Oracle Coherence」を採用した。新日鉄ソリューションズと日本オラクルが5月22日に発表した。
Oracle Coherenceは、複数のハードウェアで構成されたサーバ群で仮想的な共有メモリ領域を確保し、大量のデータを高速処理するための製品。頻繁に使用されるデータへ高速かつ信頼性の高いアクセスが可能なため、業務に不可欠なアプリケーションを計画的に拡張できるという。
ひかりTVは2008年にサービスを開始以降、順調に契約者数が伸長しており、2010年3月末に100万契約を突破、2011年3月末時点で140万契約を超えたという。そのため、NTTぷららでは契約者の急増を要因とする課題が発生。特に利用料金の計算処理時間の短縮が課題となっていた。
ひかりTVへのOracle Coherence採用にあたっては、将来の契約者増に対してもサーバを追加することで柔軟に拡張できること、現行アプリケーションを使用し、新日鉄ソリューションズが性能検証を実施した結果、高いパフォーマンスの実現性を確認できたこと、既存のデータベースに最小限の影響で導入できるなどのポイントが評価されたという。
NTTぷららよれば、従来のシステム構成と比較して、料金計算のバッチ処理時間を90%短縮することができたとしている。
なお、同システムの導入プロジェクトは、新日鉄ソリューションズが担当した。同社は製品導入に加え、既存アプリケーションを分散処理に最適な形にするための改修も実施したという。