Windows Server 2012リリースから6カ月、「導入数は順調な増加」と自信を見せるMS

三浦優子 怒賀新也 (編集部) 2013年03月01日 11時00分

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 クライアントとともにサーバ入れ替え見込む

 2012年9月に提供が始まった「Windows Server 2012」。

 最大320基の論理プロセッサ、4TBの物理メモリ、仮想マシンごとに最大1TBのメモリ、64基の仮想プロセッサのサポート、クラスター環境で最大4000台の仮想マシンを実行などの機能強化を行った「Hyper-V」、ディスクの更新中の電源障害などによる問題を回避し、データの信頼性が向上する新しいファイルシステム「ReFS(Resilient File System)」など先進機能を持ったサーバである。

 発売から半年が経ち、市場ではどのように受け入れられているのか。サーバ製品を担当する日本マイクロソフト サーバプラットフォーム事業本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏に、最新動向を聞いた。

日本マイクロソフト サーバプラットフォーム事業本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏
日本マイクロソフト サーバプラットフォーム事業本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏

仮想化機能が評価され評価版ダウンロード数は4倍に

 「Windows Server 2012は提供開始から約半年経過し、好調に推移している」--梅田氏はこう断言する。

 その実績として、下図のような数字を挙げる。

 個々の実績を見ると、まず評価版とデータセンターエディションの躍進が目にとまる。

 「われわれは戦略的に前バージョンとの比較をアピールしました。中でも、特に仮想化機能の強化は分かりやすく伝わったのではないでしょうか。例えば、Hyper-V レプリカ機能です。この機能が評価され、データセンター版の利用者を増やすなど、好循環につながった結果です」(梅田氏)

Windows Server 2012を取り巻く状況
Windows Server 2012を取り巻く状況

 マイクロソフトでは、ヴイエムウェアとの300項目に及ぶ機能比較表を作成。これをイベント会場などで配布した。機能面から見て、Windows Server 2012に搭載されたHyper-Vに優位性があることをアピールした。

 仮想化は適応範囲が大幅に増加したことで、「かかる費用が無視できないものになった」という声がユーザーからあがるようになった。マイクロソフトでは仮想化環境を実際に利用するユーザーが増えたことで、当初予想よりもコストがかかることに悩む企業が多いことに着目。競合製品とほぼ同じ性能を実現しながら、コストが下がるという点もアピールした。

 また、かつては仮想化といえばWindows、Linuxとも全てシングル環境で動かすことが当たり前だった。しかし、実際に運用してみると、Windows系アプリケーションはWindows系の仮想化環境に置くなど、切り分けを行った上で運用した方が管理は楽になることが分かってきた。

 さらに、マルチハイパーザイザー環境で管理すると、Windows系システムはSystem Centerで監視することで、トラブルの予兆管理も含めた管理ができる。実際の運用担当者にアピールしたのだ。

 こうしたアピールの成果が最も顕著に表れているのが、仮想化ツールのシェアだとマイクロソフトは強調する。

 「直近の3四半期連続で、マイクロソフトがヴイエムウェアのシェアを上回りました。パートナー企業と話しても、以前は大規模システムはヴイエムウェア、中小規模のシステムならマイクロソフト製品という認識だったものが、今回の機能強化で変わったという声が出ています。大規模システムでも、ほぼ半々というところまで来たというのが実感です」(梅田氏)

 Windows Server 2012の評価と実績は、仮想化機能を軸に着実に上がったと認識しているようだ。

マイクロソフトが示したVMwareとのシェア比較表

中小企業での導入も増加

 一方、中小企業に導入されている仮想化は、大企業向けとは異なる点が評価されている。

 「仮想化を前面に押し出すのではなく、災害対策に最適なシステムとしてWindows Server 2012を導入する企業が増えているのです」(梅田氏)

 2012年9月の製品提供開始時点では、早期導入企業としてJR東日本情報システムのような大企業の事例が紹介された。最近では、東京海上日動が、それまで利用していたVMware Infrastructure 3.5による仮想基盤をリプレースした。仮想PC方式のシンクライアントシステムとして、2万6000台のOSを入れ替え、Windows Server 2012 Hyper-Vに移行するなど大規模なシステム入れ替え事例も出てきた。

 こうした大企業の事例は、現在も着実に増加しているというが、それと同時に中堅・中小(SMB)企業の事例も増えている。

 佐賀県で配送業を営むロジコムは、以前あった十数台のサーバで構成するシステムを更新する際、災害対策という観点からWindows Server 2012の導入を決めた。

 梅田氏はロジコムの導入事例について次のように説明する。

 「以前に停電でのシステムダウンを経験し、災害が起こってシステムがダウンした際の対策が必要と考えていたそうです。大企業なら遠隔地にあるデータセンターを利用するという判断になると思います。しかし、中小企業の場合はそうもいかないケースもあります。Windows Server 2012の標準機能であるHyper-Vのレプリケーション機能を利用し、システムの複製を作成することで、災害対策とする方法を選択したのです」

 災害対策には東日本大震災以来、注目が高まっている。中小企業の場合、手軽に対策を講じられることも重要な要件になってくる。

 ロジコムの事例について梅田氏は続ける。「マイクロソフトはこれまでクラウド、仮想化といったITの最新トレンドを前面に出してアピールしてきました。しかし、今回仮想化を導入したのは結果論で、低コストで実現する災害対策としてHyper-Vを選択したのです。仮想化を前面にアピールするのではなく、災害対策ソリューションとしてアピールすると、引き合いが増加する傾向があります」(梅田氏)

Windows XPのサポート切れと同時にサーバ入れ替えも推進

 こうした機能的な評価と共に、2013年のWindows Server 2012は導入に弾みがつきそうな状況にある。1年後の2014年4月にWindows XPのサポートが切れるが、そのさらに1年後2015年7月にWindows Server 2003のサポートが切れる。

 「日本のサーバ市場は年間50万台とされています。インストールベースのサーバが250万台、そのうち200万台がWindows Serverで、その半数の100万台がWindows Server 2003だと推測しています」(梅田氏)


 100万台のWindows Server 2003のサポート切れにどう対応するのかが大きな課題となるが、「Windows XPとWindows 2003をセットで使われている企業も多いでしょう。その際、Windows XPだけ先にリプレースし、その1年後でサーバを入れ替えるというのは効率的ではありません。どうせなら、クライアントとサーバを一緒に交換する方が、作業が効率的でスムーズです」と、マイクロソフト側では同時入れ替えが最適だとアピールする。

 既にシステム開発を行う企業からは、「Windows XPのサポート期限が切れる直前になって対応していたのでは間に合わない」という声があがっている。サーバまで一緒にとなると、2013年時点からシステム移行に伴うアプリケーション移行のための評価などが必要になる。

 クライアント側の検証と同時に、サーバのワークロードも変わり、最新のサーバに入れ替えることでのメリット、セットでWindows Server 2012、SQL Server 2012をセットで使うことでの相性の良さ、メリットなどを訴えていく。

 「その際にもクラウドと仮想化の活用が大きな力となると思います。アプリケーションの中にはアップグレードする必要のないものもあるでしょう。それはHyper-V上で動かす。先ほど紹介したロジコム様の事例でも、クラウドを活用し、負担を最小限に抑えています。OSのサポート切れは大きな出来事ですが、クラウド活用によってお客様の負荷を最小限に抑えることが出来ます」(梅田氏)

 現在、日本マイクロソフトでは全国に出向いて、地元の中堅・中小企業に最新のマイクロソフト製品をアピールするセミナー「ディスカバー」を実施中だ。全国に出向いて、Windows XP、さらにWindows Server 2003のサポート期限が切れることを訴えていく。

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