ラスベガス発--Amazon Web Services(AWS)に、これまで欠けていると見られていたものが補われることになった。それは仮想化だ。
ただし、AWSのシニアバイスプレジデントAndy Jassy氏の発言から考えると、欠けている部分が果たしてどれほどの大きさだったのかについては、議論の余地があるかもしれない。同氏は米国時間11月13日午前、新製品「Amazon WorkSpaces」を「AWS re:Invent 2013」の席上で発表した。
Jassy氏は、WorkSpacesが基本的に顧客の要望から発案されたものだとしたうえで、新製品のWorkSpacesについて、ハードウェアおよびソフトウェアを手がける「旧来の」ハイテク企業から完全に脱却する新たな製品だと定義した。
Jassy氏は、「仮想デスクトップというアイデアは人々が長い間取り組んできたものだ」としながらも、仮想デスクトップがこれまで本格的に普及してこなかったことも認めた。同氏はその理由として、仮想化はコストがかかり、管理が難しい点を挙げた。
そこで同氏は、「デスクトップを集中管理するという夢を実現する」手段として、WorkSpacesの長所を強調した。しかも同サービスでは、ハードウェアも仮想化ソフトウェアも必要ないという。
WorkSpacesはデスクトップPCとモバイルデバイスのブラウザからアクセス可能で、Microsoftの「Active Directory」との統合に対応している。さらにAWSだけでなく、ユーザーが導入を希望する任意のものについても、ソフトウェアライセンスをサポートする。
クラウドユーザーは13日より、機能が限定されたプレビュー版を利用できる(登録が必要)。WorkSpacesの利用料金は月額制で、「長期契約の縛り」は設けないとAmazonは約束している。
1基の仮想CPUと50Gバイトのストレージが利用できる標準プランは、月額35ドルから利用できる。CPUの数とストレージ容量が倍になる「Performance」プランの料金は、月額60ドルだ。また、月額15ドルを追加すると、「Microsoft Office」とウイルス対策ソフトウェアが利用できる。
Jassy氏は、旧来のハイテク企業に対する辛辣な批判を繰り返した上で、WorkSpacesの価格は「現在市販されている標準的な仮想デスクトップインフラストラクチャの半分」だと胸を張った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。