総合研究大学院大学はキャンパス内のITインフラを強化し、効率的なサーバ運用を目指している。製品を提供したシュナイダーエレクトリックが11月26日に発表した。2012年より開始したクラウド事業として学外のプライベートクラウド構築とともに、葉山キャンパス内のITインフラ基盤の強化を推進。サーバルームの改善が課題となっていた。
これまで各サーバは機能や役割ごとに区分されたラックに収容されていたが、稼働率や性能の違いにより発熱する場所が異なることが多かったという。このような環境が故障の原因となり、空調に偏った負担がかかっていた。通常の空調では個々の熱溜まりは解消できず、空調やファンの負担が増加。運用コストの増大を避けるため効率的な空気循環環境の構築が求められていたという。
また、サーバルームではシステムの運用状況を可視化できる効率的な体制が求められ、ホスティング業務の負荷を低下させる必要があったとした。
今回総研大は課題を解決するため、シュナイダーエレクトリックのラックシステムを選定した。サーバからの排熱を集め、サーバルーム全体に閉じ込めてバランス良く冷却できる点や、メンテナンス性などの点から導入が決まったという。
導入されたのは水冷式のラック列冷却システム「InRow RC」、無停電電源装置(UPS)の「Symmetra PX」、統合監視、管理ソフト「StruxureWare Data Center Expert」。今回のStruxureWare Data Center Expertの導入で、多数のセンサからの情報を統合監視することで可視化が図られ、管理負荷の軽減と効率的な運用ができるとした。
またStruxureWare Data Center Expertでは温度や湿度に加え消費電力の監視も可能になった。これにより実際の負荷に応じた機器配置の最適化やサーバの消費電力の観点から費用対効果の小さい機器が発見できるようになったという。温度や電源をサーバ運用と連携させることで、資産管理をの手間を省くことができたとした。
さらに、導入決定から2カ月で稼働を開始した点も評価できると説明した。