ストレージに対する支出が世界的に低下している。2014年第1四半期の全世界における外部ストレージシステムの売上高は56億ドルとなり、前年同期に比べると5%以上低下した。
市場調査会社IDCによると、IBMの「IBM System Storage DS8000」やEMCの「Symmetrix VMAX」、日立の「Hitachi Virtual Storage Platform」といった、パフォーマンスや復旧性の高いストレージシステムに対する企業の支出が25%落ち込んだのがその原因だという。IBMは、同社のシステムおよびテクノロジ部門の売上高が第1四半期に前年同期比で23%減少した際、「ハイエンドストレージがかなり不振となっている」と述べていた。
IDCのストレージ担当リサーチディレクターであるEric Sheppard氏は「市場の落ち込みの原因としては他に、ストレージ最適化技術の採用が主流になったことや、システムをできるだけ長寿命化させようという一般的な傾向、経済情勢の不透明さ、顧客がパブリッククラウドの機能を利用してより細かく、かつ短期間で容量のニーズに対応できるようになったことなどが挙げられる」と述べている。
第1四半期における内蔵および外付けのディスクストレージシステム市場の売上高は73億ドルとなり、前年同期比で6.9%減、前四半期比で17%減となった。出荷されたディスクストレージシステムの容量は全体で前年同期比19.9%増の9.9エクサバイトだった。
EMCは外部ストレージシステムのサプライヤーとして最大手だが、その市場シェアは前年同期から低下した。第1四半期、同社の外部ストレージの売上高が市場に占める割合は前年同期の30.2%から低下し、29.1%となった。
2位の大手サプライヤーであるNetAppの売上高がこの市場に占める割合は、2013年第1四半期の14.8%から15.1%へと増加した。 同社の後にはHewlett-Packard(HP)やIBM、日立がそれぞれ、シェア8.8%、8.8%、8.7%で続いている。
オープンネットワークディスクストレージ市場を全体で見ると、NASと非メインフレーム向けのSANを合わせた売上高が前年同期比3.9%減の49億ドルとなった。EMCはオープンネットワークディスクストレージ市場全体で31.5%の売上シェアを獲得し、トップの座を維持したものの、2013年第1四半期の33.4%と比べるとシェアを落としている。
市場第2位のサプライヤーは、17.3%のシェアを確保したNetAppであり、その後にはHPが8.9%、IBMが8.6%、日立が8.3%で続いている。
世界の外部ストレージシステム市場におけるシェア(売上高単位:百万ドル)
提供:IDC
世界の全ディスクストレージシステム市場におけるシェア(売上高単位:百万ドル)
提供:IDC
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。