IT投資、セキュリティやモバイルに注力--IT部門が関与しない予算が台頭:IDC

山田竜司 (編集部)

2014-07-03 13:01

 IDC Japanは7月2日、国内の企業や団体1220の最高情報責任者(CIO)などIT部門責任者を対象としたIT投資動向調査の結果を発表した。2014年度の国内企業のIT支出は、2013年度とほぼ横ばいで推移し、セキュリティとモバイル領域に注力する企業が多い見込みという。

 2014年度のIT予算が前年比で「ほとんど/全く変わらない」とする企業は前年比0.3ポイント減の66.3%。投資を計画している領域は「ネットワーク、施設、ハードのセキュリティ強化/情報漏えい対策」が17.1%で1位、「モバイル機器用システム」が16.4%で2位だった(複数回答)。IT投資が横ばいの中、この2つの領域は企業の規模を問わず、IT投資の対象になるとIDCは予測している。

 営業やマーケティングなど業務部門でのIT活用強化の傾向を受け、調査では情報システム部門が関与しない、業務部門独自のIT予算(情報システム部門非関与予算)の状況をたずねている。情報システム部門非関与予算が「ある/あると思う」という回答は、全体では19.8%、従業員規模1000人以上の大企業では38.8%だった。情報システム部門非関与予算が増加する理由としては、「現場の要件をより迅速にシステムに反映するため」が1位、「新たなテクノロジやIT製品/サービスに対する情報システム部門のスキル不足」が2位だった。

 IDCは、情報システム部門が対応しきれていない領域に対してユーザー部門が自ら予算を割き、積極的に関与しようとしている動きの表れと見ている。

 調査によると、大企業を中心に海外、特にアジアを中心に投資している企業が増えているという。今後3年間の計画では、中心的投資先だった中国から東南アジアへのシフトが鮮明になっており、海外向けのIT支出が伸長するという見解を述べた。


情報システム部門非関与予算の有無:従業員規模別

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

  5. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]