アクセンチュアは7月22日、プライバシーとIT利用に関する調査の結果を発表した。日本の慢性疾患患者の71%は、患者に自らの電子カルテを閲覧する権利が与えられるべきであると考え、慢性疾患患者の54%は、オンラインで自らのカルテを閲覧できることが、プライバシー面でのリスク以上に大事であるという結果が出た。
調査の結果、慢性疾患の患者が持つ懸念は、オンラインバンキング(60%)や店舗でのクレジットカード利用(55%)、オンラインショッピング(57%)などによって個人情報が電子管理されることよりも、電子カルテのプライバシー(47%)の方が少なかった。
慢性疾患患者はカルテの情報をオンラインで閲覧したいと考えているものの、75%は、閲覧手段を知らないことが最大の障害であると回答したという。
カルテの閲覧に限らず、回答者の75%は、自らの健康データを管理したいとした。回答者の36%は、現段階であまり管理ができていないか、全くできていないと考えているという。
自らの健康データをある程度管理できる能力は、慢性疾患の種類によって異なるという。関節炎患者の47%はある程度管理できていると回答したのに比べ、うつ病患者ではわずか31%だけだった。
日本では、慢性疾患患者が増加していることへの懸念が高まっているが、慢性疾患患者は医療診断(63%)や治療管理(75%)、日常的な健康維持(56%)を含むほとんどの治療に関わっていると説明している。
アクセンチュアは「オンラインで個人データを閲覧できれば、患者は健康を管理する能力や自立性が向上し、医療システム側の負荷が分散されて生産性がより向上する。医療の有効性が高まるだけでなく医療コストも安価になるだろう」とした。
調査は2月21日~3月16日に健康な506人と、ぜんそくや関節炎、がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、うつ病、糖尿病、心臓疾患、高血圧、臨床的に診断された肥満、骨粗鬆症、脳卒中といった11種類の慢性疾患を持つ508人、合計1014人を対象にした。