イノーバは9月12日、企業が独自に媒体を構築して情報発信するためのクラウドソフト「Cloud CMO(クラウドシーエムオー)」を発表した。最短1日でオウンドメディア(独自の媒体)を開設できるという。SaaS型でサーバ管理が不要のため、社内エンジニアのリソースは不要としている。
コンテンツ制作、SEO対策、アクセス解析などがオールインワンで利用できるのが特長で、価格は初期費用が税抜で10万円、月額費用は7万9800円から。キャンペーンとして、先着20社まで月額費用を49800円からとなっている。
昨今注目を集めつつある「マーケティングオートメーションツール」の長所と、「コンテンツマネジメントシステム(CMS)」の長所を併せ持つ強みがある。
Googleが「コンテンツの品質・信頼性を評価する」新たな検索アルゴリズムを導入したことをきっかけに、単なるSEO対策ではなく、良質なコンテンツを継続的に生活者に提供し、商品・サービスや自社のファンを作るコンテンツマーケティングがマーケッターの注目を集めつつある。
自社の商品やサービスと親和性の高い見込み顧客に向け、継続的に有用性の高い情報を提供することでその興味・関心を喚起し、無理なく購買意欲を高めるのがコンテンツマーケティングだ。米国では BtoB企業の93%、BtoC企業の90%が実践しているという。
しかし、実際にオウンドメディアを立ち上げ、CMSやメール配信システムなどを組み合わせて使用し、さらにウェブ解析ツールで効果検証を行うなど運用負荷が重いことが課題となっていた。
デジタルマーケティングスキルやノウハウ、エンジニアリソースを持たない中小企業でも短期間にオウンドメディアの構築が可能で、アクセス解析、ブログ制作、SEO対策、SNS投稿、メルマガ配信、リード管理など、コンテンツマーケティング運営に要する機能をオールインワンで提供し、マーケッターの負担を軽減するとしている。
イノーバは9月、セールスフォース・ドットコムと資本・業務提携したほか、総額2.2億円の資金調達を完了したと発表している。セールスフォースのSales Cloud、 ExactTarget Marketing Cloudとシームレスに連携することで、コンテンツマーケティングを軸としたリード獲得から営業活動による受注を可視化するなど、さらなる利便性向上を目指すとしている。