タイププロジェクトは12月2日、日本語フォントの表現力を高める新製品「AXIS Font ProN」を同日に発売すると発表した。
同社は、2001年に日英バイリンガルの雑誌専用フォント「AXIS Font」を開発。AXIS Fontは明るく、モダンなデザイン性が特徴で、7種類の太さと3種類の字幅を組み合わせた構成になっている。
スマートフォンやソーシャルメディア、ニュースアプリなどの普及で情報の流れが変わりつつある中で、日本語書体には多様な環境に応える表現力と、時代に適した表情が求められていると同社は説明する。
そこで、9354字を収録していた既存のAXIS Font Std(スタンダード)を1万5525字に拡張。日本語をはじめとする78言語に対応した欧文書体(イタリック体を含む)を包含するものとして新製品をリリースした。
製品は、正体のAXIS Fontベーシック、長体のコンデンス、超長体のコンプレスという3種類の字幅(それぞれ1万5525字収録)で提供する。AXIS Fontベーシックでは7ウエイト、コンデンスでは6ウエイト、コンプレスでは5ウエイトからなる文字の太さのバリエーションにより、多彩な表現が可能としている。
特に、AXIS Fontコンデンス、コンプレスは、タブレットやナビゲーションシステムなど、小さな画面に多くの情報を表示するデバイスに適しているという。同製品により、印刷物やウェブデザインだけでなく、世界市場に向けたデバイスなどへの組み込みの要望に、より広く対応できるようになる。
タイププロジェクトの代表取締役、鈴木功氏は「東京五輪がある2020年に向けて、情報を伝える基本的なデザインツールとして文字が注目を集め、日本語フォントブームが起きていると言われている。われわれの原点であるAXIS Fontは、国内外からの人気が高く、その最新版となる今回の新製品は、発展するメディア環境において、これまでできなかった活用方法を実現する」と述べている。

AXIS Font ProN 出力見本