KDDIは4月8日、広域ネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」(KDDI WVS2)に大幅な機能追加を実施すると発表した。
主な追加機能は、ネットワークを柔軟に追加、統合、分割できる「仮想ネットワーク機能」や、ユーザー自身で帯域を柔軟に変更できるメニュー「エクステンドイーサネット方式」など。これらの機能は6月末から順次提供を開始する。
KDDI WVS2は、SDN(Software-Defined Networking)技術によりクラウド化されたセキュリティメニューやユーザー自身がいつでも自由にインターネット回線帯域を変更できる機能など、ビジネスのスピードアップとコスト最適化を実現する次世代広域ネットワークサービスという位置づけ。
今回の追加機能は以下の通り。
仮想ネットワーク
KDDI WVS2のネットワーク上に仮想化したオーバーレイネットワークを構築することで、ネットワークを柔軟に追加、統合、分割が可能となり、従来数カ月を要した追加ネットワークの構築を最短1日で実現する。
ネットワークの拡張性とコスト最適化を両立
組織改変や事業統合などビジネスの環境変化に合わせ、柔軟でスピーディなネットワークの拡張を可能にし、さらに、用途ごとに分けて構築された物理ネットワーク(複数のアクセス回線)を集約し、通信コストの最適化を実現する。
ネットワーク情報を一元管理
ブラウザから操作できるカスタマーコントローラによって、ネットワークのルーティングやトラフィック情報といった複雑なネットワーク情報を可視化し、設定や管理を一元化する。
セキュリティの向上
重要度が増すセキュリティ対策の一環として、システムやネットワークを適切にセグメント化することが有効であるため、複数のネットワークを用途によって使い分けることで、不要なアクセスを防止し、セキュリティリスクを低減した。
アクセスラインアップの拡充
・エクステンドイーサネット方式
ブラウザからオンデマンドにアクセス回線帯域の変更や、ネットワークごとに契約帯域を分割できる帯域確保型のメニュー。「緊急のアップデート配信のため一時的に帯域を拡張したい」「重要な通信は他の通信の影響を受けないように帯域制御したい」といったニーズに迅速に対応し、仮想ネットワークをより便利に利用できる。
・ブローバンドアクセス方式II(インターネット)
KDDIが提供する専用アダプタを設置するだけで、ユーザーが利用中のインターネット環境から簡単にKDDI WVS2を利用できる。利用中のインターネット環境をそのまま活用できるため、短納期での開通が可能。
・ワイヤレスアクセス方式
接続エリアの広いLTEをアクセス回線とし、モバイルを活用し、テンポラリ利用や安価なバックアップ構成を実現できるほか、固定回線を引きづらい場所で利用できる。
・IPsec方式
国内だけでなく海外からも、利用中のインターネット回線からKDDI WVS2網内のゲートウェイ設備へ接続できる。顧客によるGW設備が不要となり、安価にVPNを構築できる。
クラウド接続
KDDI クラウドプラットフォームサービスとAmazon Web Servicesへのセキュアなクラウド接続を提供。今後も各種クラウドサービスと連携し、利用用途に合わせて選択できるように拡張していく。