ホスティングサーバであっても、サポート終了後のServer 2003環境を使い続けることにはセキュリティリスクが伴う。これについて、同社 クラウド スマートサービス事業部 法人ビジネスグループ マネージャーの南江鉄也氏は、「少なくとも、ネットワークやインフラ部分のセキュリティは当社が担保するので、物理サーバで使い続けるよりは安全。アプリケーションなどの検証作業が完了し次第、すみやかに最新OS環境へ移行してもらう。同一クラウド上に最新OS環境の専用サーバを立てれば効率的に移行できる」と説明した。
同社は今後、会計ソフトなどのライセンス料とホスティングサーバレンタル料をセットにして、年額固定で提供することを予定している。「従量課金型のクラウド利用の予算化が難しい企業でも、スムーズにクラウド移行ができる」(同社 クラウド スマートサービス事業部の内田稔章氏)
ビッグローブ クラウド スマートサービス事業部の南江鉄也氏(左)、柴野澄子氏(中央)、内田稔章氏(右)
急がず、セキュリティ対策製品で延命しながらの移行を推奨
「急いては事を仕損じる。今からのServer 2003移行は、SI事業者と組んでセキュリティリスクを最小限に減らしながら、時間をかけて自社に最適な形で実施するべきだ」――。そう語るのは、富士通エフサス サービスビジネス本部 サービス企画統括部 サービス販売推進部 プロモーショングループ統括リーダーの稲澤彰隆氏だ。
同社では、Server 2003サーバ移行支援サービスとして、vSphereやHyper-Vによるサーバ集約、ストレージ統合、パブリッククラウド(「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」「A5 for Microsoft Azure」「NIFTY Cloud」)へのマイグレーション、SaaSの導入支援など、幅広いメニューを提供している。「Server 2003の移行先には選択肢が多く、コストやリソースを削減する余地が大きい。それだけに、付け焼き刃の単純リプレースは推奨しない」(稲澤氏)
富士通エフサス サービスビジネス本部 サービス企画統括部 サービス販売推進部 プロモーショングループ統括リーダー 稲澤彰隆氏
稲澤氏によれば、従業員1000人規模の企業の場合、既存サーバ環境の棚卸から移行プランの策定までに、少なくとも2カ月を要する。Server 2003のサポート終了後は、ゲートウェイやスイッチなどセキュリティ対策製品も提案しながら、移行を行っていくとする。
同社が、これまでに同社から企業へ販売したServer 2003サーバ約1万2000台について、リプレース状況を調査した結果、6月時点で、約2000台がServer 2003環境のまま残っていた。「特に金融機関で、基幹系の業務アプリケーションの改修が間に合わず、Server 2003のまま継続利用しているケースが多い」(稲澤氏)