Microsoftは先週末、「Windows 10 November Update」を突然自社ダウンロードサーバから削除した。これを受けて同社は米国時間11月24日、一転して同アップデートの提供を再開した。そうした中、同社は今回急な決断を下した理由についても説明した。
新たな声明は次のとおりだ。
「われわれは先頃、ある問題を認識した。この問題は、Windows 10を既にインストールし、November Updateを適用していたごく少数のユーザーに影響を及ぼしていた可能性がある。これらの顧客において、November Updateをインストールした時点で、カスタマイズした設定の一部が保持されないという予期せぬ問題が発生した恐れがある。これらの顧客に対し、われわれは今後数日間のうちに元の設定を復元するつもりであり、ご不便をおかけしたことをお詫びする。われわれは、この問題をできる限り早急に解決できるよう努めた。本日提供を開始したNovember Updateを今後インストールする場合に影響はない」
Windows 10の「Media Creation Tool」(メディア作成ツール)は、「Build 10586」のダウンロードを再び可能にしている。Media Creation Toolは、Windowsユーザーがクリーンインストールやアップグレード用のインストールファイルをダウンロードできるようにするものだ。Build 10586は、November Updateを組み込んだ完全なインストールパッケージになっており、クリーンインストールやアップグレードに使用できる。
新しいインストールファイルの最大の利点は、Windows 10を「Windows 7」や「Windows 8」「Windows 8.1」のプロダクトキーを使ってアクティベートできる点だ。
詳細を把握する人物らに筆者が取材したところ、Build 10586に存在する一見些細なバグに遭遇したのは、同アップグレードを実行した「極めて少数のWindows 10ユーザー」だという。
この種のアップグレードでは、「Windows Setup」がすべてのユーザー設定を新しいインストールに移行することになっている。しかし今回のケースでは、4つの設定がそのリストから予期せず除外され、デフォルト値にリセットされていた。
- アプリが自分の広告識別子を使うことを許可する
- SmartScreenフィルタをオンにしてWindowsストアアプリが使うウェブコンテンツを確認する
- アプリのバックグラウンド実行を許可する
- デバイスと同期する
4つの設定はいずれもデフォルトのインストールで「On」になっている。Windows 10の最初のインストール中、もしくはその後にこの4つの設定をオフにしていたユーザーは、Build 10586へのアップグレード時にこれらをオンに戻していた。
11月のアップデートは、7月にリリースされたBuild 10240を搭載するWindows 10端末に対し、Windows Updateを通じてあらためて提供されている(Windows 7と8.1のユーザーは影響を受けていない)。
リリースされたばかりの新たな累積アップデートは、前回アップグレードしたユーザーの設定を復旧させるようになっている。
メディア作成ツールで、Current Branchの最新リリース(今回の場合はBuild 10586)が再びダウンロード可能になった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。