印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドで世界トップシェアを持つ化学メーカーのDIC(東京都)は、クラウド型の財務管理サービス「キリバ・エンタープライズ」を導入した。導入スピードや拡張の容易さ、費用対効果の高さを評価した。キリバ・ジャパンが1月28日に発表した。
DICは、中長期計画の中で財務管理業務の高度化を目指して、グローバルでの資金管理の一元化を進めている。現在は、資金管理や為替管理、借入業務などをスプレッドシート中心で処理しており、効率化を図る必要があった。
同社の欧米子会社は、キャッシュや流動性、資金調達、金利リスクなどのマネジメントを実施するトレジャリー業務を統合基幹業務システム(ERP)の中でモジュール化し、活用する仕組みを導入していた。しかし、導入にかかる費用や労力の問題からグループ全体に拡大するのは困難だと判断した。
まずは、グローバルのキャッシュポジションの8割を可視化し、本社を含む子会社の資金繰りの自動化を図る。資金繰り自動化のために、キリバ・エンタープライズと既存ERPを連携させる計画だ。次のステップでは、資金管理、為替ポータルと連携した為替取引管理の自動化に取り組む予定である。