「あと6カ月でRed Hat Enterprise Linux 4(RHEL 4)の延長サポートが終わる。その後はセキュリティなどの修正版が提供されなくなる。RHEL 5の通常サポートも終わる。最新版のRHEL 7は2024年まで通常サポートが続くのでアップグレードを検討してほしい」
サーバOSのRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を販売しているレッドハットでパートナーセールスマネージャーを務める中村誠氏は、2017年3月31日に迫ったRHEL 4の延長サポート終了を受けて、こう注意を喚起する。
9月28日には、同社ウェブサイト内に、RHEL 4とRHEL 5のサポート終了についての情報を提供するマイクロサイトをオープンさせた。
サポート終了にともなうアナウンスを同社が実施するのは今回が初めて。6カ月前(今回)、3カ月前、1カ月前、直前の4回にわたるアナウンスによってバージョンアップを促す。
RHEL 4は初期出荷から10年以上が経過
RHEL 4の初期出荷は2005年2月のこと(図1)。2012年2月には通常サポートが終了しており、5年間におよんだ延長サポートも2017年3月31日に終わる。これと同時に、2007年3月に初期出荷したRHEL 5の通常サポートも終了し、2020年11月30日までの3年間の延長サポートに入る。
図1●Red Hat Enterprise Linuxのサポート終了スケジュール。2017年3月31日には、RHEL 4の延長サポートとRHEL 5の通常サポートがともに終了する
RHEL 4/5は、現在でも広く使われている。レッドハットでソリューションアーキテクトを務める森若和雄氏は、「ウェブサーバなどの用途で、安定して動作しているので、バージョンアップしないまま使い続けているユーザーが多い」と指摘する。注意喚起によってこうしたユーザーをバージョンアップへと誘導する考えだ。
OSバージョン間でアプリケーションの互換性はあるが、RHEL 4/5で現在使っているアプリケーションのバイナリコードがそのまま動作するかどうかは、動的リンクしているライブラリ次第だ。一方、多くのケースでソースコードは改修せずに使えるので、コンパイルしさえすればRHEL 7でも問題なく動作する。