ブラウザメーカー各社による新しいウェブ標準フォーマットのサポートが一歩前進した。狙いは、オンラインゲームや音楽ストリーミングのほか、VR、AR、暗号技術などを利用するアプリケーションをウェブブラウザ上で「ネイティブ並み」のパフォーマンスで実行できるようにすることだ。
「WebAssembly」(wasm)と呼ばれるこの新フォーマットは、2015年6月の最初の発表、2016年3月の各種ブラウザでの実験的な実装を経て、現在は「Browser Preview」段階に進んでいる。
新しいランタイムであるWebAssemblyは、より強力なウェブアプリケーションをサンドボックス環境で実行できるようにする「ウェブのための仮想CPU」と考えることができる。この標準化されたバイナリフォーマットの狙いは、ウェブをJavaScriptの限界を超えて発展させることだ。WebAssemblyは2017年第1四半期までプレビューとして提供される。
WebAssemblyは、「Google Chrome」の「V8」、「Firefox」の「SpiderMonkey」、Microsoftの「Chakra」、Appleの「WebKit JavaScriptCore」など、それぞれのブラウザのJavaScriptエンジンで実装作業が進められている。現在のところ、ChromeとFirefoxに試験的に実装され、MicrosoftもWebAssemblyを含む「Edge」の内部ビルドを開発した。
すべてが予定通りに進めば、2017年第1四半期にはWebAssemblyがデフォルトで有効の機能として各ブラウザに実装されるだろう。Mozillaは2017年3月にリリース予定のFirefoxのバージョン52での実装を目指している。GoogleとMicrosoft、Mozillaは2016年3月から試験的サポートを実装してきた。
MicrosoftのChakraチームでプロジェクトマネージャーを務めるLimin Zhu氏は、EdgeにおけるWebAssemblyサポートの開発をChakraCoreプロジェクトのリポジトリで鋭意進めていると述べ、「まもなくブラウザプレビューを提供する予定だ」と述べている。
GoogleのV8チームもサイトで利用されるasm.jsをWebAssemblyに自動的に変換するツールの実装に取り組んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。