Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、メモリドリブンコンピューティングアーキテクチャ「The Machine」の概念実証プロトタイプのデモを行ったと発表した。
5年前から進められているこのプロジェクトの背景にある考え方は、メモリドリブンコンピューティング、フォトニクス技術、新たなファブリックを組み合わせることで、大量のデータを高速に処理できるようにするというものだ。
今回HPEがデモに使用したコンポーネントには、高速な永続メモリのプールを共有するコンピュートノードや、フォトニクス技術を使ったデータリンク、これらの技術を利用するのに必要な専用のソフトウェアなどが含まれる。
まだ概念実証の段階ではあるものの、同社は今回のデモを「近い将来に起こるイノベーションへの扉」を開く大きな節目だと位置づけている。
設計段階でのシミュレーションでは、メモリドリブンコンピューティングを採用したシステムは、現在のコンピュータよりも「数桁」高速になるとされており、最大で8000倍高速になる可能性があるという。
HPEは、この技術はモノのインターネット(IoT)デバイスの性能向上にも応用できるものの、当面はハイエンドのコンピューティングタスクに焦点を当てる予定だと述べている。
同社が目指しているのは、大量のデータを、低コストかつ高いエネルギー効率で、安全でアクション可能な知見に変えることができるコンピュータだ。
HPEは2018年から、不揮発性メモリ、ファブリック、セキュリティの各分野で開発した技術を商用化していくという。また、The Machineを利用するソフトウェアを開発するエコシステムも構築しつつあり、このエコシステムで開発された技術もさまざまな製品に取り込んでいくとしている。
2016年10月に開催されたアナリストとの会合で、HPEの最高経営責任者(CEO)Meg Whitman氏は、今後もハイブリッドクラウド市場におけるコンポーザブルインフラストラクチャとソフトウェアで定義されたツール(エッジデバイスやIoTなど)への投資を継続していくと述べている。
この会合で、Whitman氏はHPEはDell Technologiesなどに代表される大規模なライバル企業と競争できる、動きが素早い、革新的な企業だと位置づけた。
その際同氏は、「Hewlett Packard Enterpriseは現在、わたしが当社に来た5年前以来、もっとも有利な位置を占めている」と述べ、「ここまでは長い道のりだった。当社には明確な戦略がある」と自信を見せていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。