新しいコンピュータ設計「The Machine」をめぐり、Hewlett-Packard(HP)とデルが舌戦を繰り広げていると、海外サイトが報じている。
The MachineとはHPが米国時間6月11日に披露した新しいコンピュータ設計。同社の最高経営責任者(CEO)Meg Whitman氏によると、「クラウドコンピューティングやモノのインターネット(Internet of things:IoT)、モバイルネットワーク、マシンツーマシン(M2M)コンピューティング」がもたらすデータ量の増大に対処できる新たなコンピューティングアーキテクチャが必要になってきているという課題認識が開発の出発点になっているという。
The Machineは、特定のタスクや「ワークロード」に特化されたプロセッサが、光ベースの素材に接続して通信を行う。さらに、これらはすべて大規模な単一の「ユニバーサルメモリ」プールと接続されるため、別個のメモリおよびストレージ層は不要だ。DRAMとフラッシュメモリストレージの速度を組み合わせて「メモリスタ」にすることを試み、あわせてオープンソースの新しいOSも開発される。
The Registerによると、これに対してDellのソフトウェア担当幹部であるJohn Swainson氏とリサーチ担当幹部のJai Menon氏が懐疑的な見方を示しているという。
Swainson氏は「OSを再設計して魔法のような状態を作り出せるという考え方は、一見したところ滑稽である」とThe Registerの取材に対して述べ、Menon氏は「HPやIBMと違い、メモリスタこそが正しい道だというような単一的視点でわれわれは見ていない。フェーズチェンジメモリや抵抗変化型メモリもあるし、個人的には少なくともあと2つくらい技術があったと思う」と述べている。
またSwainson氏によると、Dellは「最も安くて、他にひけをとらない、標準ベースの(技術)」に最も興味をもっているという。
これに対してHPも黙ってはいなかった。The Registerは、Dell幹部の発言を報じた後に、HPのグローバルコミュニケーションズ担当Howard Clabo氏から「DellのR&Dを統括する責任者がわれわれが発表したThe Machineに噛み付いてきたことは意外ではない」「R&DがDellで優先的に扱われたことはないし、株式を非公開化してからはストップしてしまったのではないか。HPが革新する様子を指をくわえながら見ているのは辛いだろう」との声明が寄せられたことを明かしている。