皆さんがLinus Torvalds氏について何か知っているとすれば、それは同氏がLinuxの生みの親であり、Linux界の権威だということだろう。さらにTorvalds氏に詳しい人であれば、同氏が熱心なスキューバダイバーであり、スキューバダイビングのためのプログラム「SubSurface」の作者であることも知っているはずだ。あるいは、さらに深く知る人なら、同氏もほかの開発者と同じく、ガジェットが大好きだということも知っているかもしれない。同氏は最近「Google+」上で、ガジェットレビューサイト「Working Gadgets」を開設した。
そのタイトルを見れば、これがどんなサイトかは一目瞭然だが、Torvalds氏自身は次のように説明している。
そのときわたしは、使わなくなったたくさんの古いガジェットを捨てようとしていた。わたしはクレージーなガジェットが大好きだが、そのすべてが素晴らしいわけではないし、ずっと使い続けられるわけでもない。またわたしはコンピュータ関係以外のガジェットにも手を出している。妻は、わたしがこれまでに試したクレージーなキッチン用ガジェットについて喜んで証言するだろう。
しかし折角なので、最新のビルドが完了するのを待っている間に、まったく役に立たないクレージーなゴミが多い中で、実際に非常に役に立つことが分かったガジェットについて、記録を残すことにした。わたしが買うクールなガジェットの9割は大したものではないが、実際に期待に応えてくれたガジェットも存在する。
このサイトのルールは、不満のあるガジェットは紹介しないということだ。よいものだけを紹介する。なぜなら、これは楽しいガジェットのためのサイトだからだ。
では、Torvalds氏が選んだ楽しいガジェットとはどんなものだろうか?実はサイトで紹介されているのはまだ3つで、それも分野はバラバラだ。
1つ目に紹介されたのはスキューバダイビング用品で、具体的には、Torvalds氏が愛用しているAtomic Aquatics製のスキューバダイビング用レギュレーターだ。ほかのダイビング用品と違って、このチタン製レギュレーターは壊れる気配がないという。
猫好きで知られるTorvalds氏が次に紹介しているのは、自動猫用トイレ「Litter-Robot III Open Air」だ。あらゆる猫好きがそうであるように、同氏も猫用トイレの掃除はあまり楽しんでいない。Torvalds氏は次のように説明している。
猫の糞はひどく目障りだが、普通の人は、数ドルで手に入る普通の猫用トイレを使い、自分の手で糞をすくって捨てているだろう。
しかしわたしは、極めてものぐさな質であるため、これまでいくつかの自動猫用トイレを試してきた。
多くの自動猫用トイレはまともに動作しないのだが、この製品はこれまでのところ、「実際に」うまく動作している。猫も嬉しいし、わたしも嬉しい。そして使い始めてから3カ月経つが、その間、一度も「ものが引っかかる」経験をしていない。
筆者も近いうちに、1つ買ってしまうかもしれない。
Torvalds氏の最新のガジェットレビューは、ビジネス用のテクノロジデバイスである「Ubiquiti UniFi Wi-Fiアクセスポイント」だ。同氏は、自宅のオフィスを「暖かな生気をもたらすWiFi放射」で満たすために、メッシュネットワークを自動的に構築できるWiFiルータ「Google WiFi」を使用しているが、一方でUniFiも使い続けている。これは、「UniFi Wi-Fiは、通常の家庭用メッシュルータよりも柔軟性を必要とする、より難しい場面で使われている。一般的な家庭用メッシュルータとは違って、Uniquitiの製品には非常に多くの選択肢があり、ニーズに合わせた製品を手に入れることができる」ためだ。
このため、「UniFiのガジェットの設定は、最近の一般的なホームメッシュネットワークルータほど簡単ではないが、屋外ユニットを追加することができ、一般に1つの住宅を超える範囲をカバーできる」という。
これは筆者には、非常に魅力的に聞こえる。
当代でもっとも優れた開発者の1人であるTorvalds氏のガジェット評を見たければ、Working Gadgetsを訪れてみるといいだろう。同氏が次にレビューするのが何であれ、それは必ず役に立つし、サイトを見ること自体も楽しいはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。