IDC Japanは3月7日、世界スマートシティ関連テクノロジの市場予測を発表した。これによると、2018年のスマートシティイニシアチブ向けのテクノロジに対する全世界の総支出額は800億ドルに達する見通し。計画が本格化する2016~2021年に掛けて支出額が増加し、2021年には1350億ドルに達すると予測する。
IDC Japanによると、スマートシティは都市のエコシステムの中でデジタル変革を達成し、環境や財政、社会の各方面に成果をもたらす。都市全体におけるテクノロジ投資の活用やサービスに必要な時間/コストの削減などといった目的のために、複数のスマートシティイニシアチブの調整を図る段階からスマートシティの開発が始まる。
スマートシティ計画は、第3のプラットフォーム技術によって実現可能である。都市のエコシステムに新しいテクノロジが急速に展開され、個々の分野で革新的なソリューションがもたらされる。
IDC Japanは、2018年および予測期間全体を通じて支出額が最も大きい戦略的優先分野として「インテリジェントな交通/輸送」「データ主導型の公共安全」「耐障害性のあるエネルギーおよびインフラ」を挙げている。
世界全体で支出額が最も大きいと予測されるユースケースは「インテリジェントな交通/輸送」と「固定式のビジュアル監視」の2つである。「スマート屋外照明」と「環境モニタリング」がそれに続くと予測する。これらのユースケースは、ほとんどの地域で大きな投資を呼び込むとみている。ただし、地域によって重視する対象が異なるとしている。
米国、日本、西ヨーロッパでは、「インテリジェントな交通/輸送」が投資額でトップになると予測する。「固定式のビジュアル監視」は中国でトップ、米国では2番目に大きいユースケースになる見通し。一方、日本では「環境モニタリング」の重要度が相対的に高くなると指摘する。
地域別に見ると、スマートシティの最大の市場は米国で、2018年の支出額は220億ドルに達すると予測している。これに210億ドルで中国が続く。これら2カ国の成長はほぼ同じ軌跡をたどり、5年間の年間平均成長率はそれぞれ19.0%、19.3%と予測する。また、最も急成長が見込まれる地域として中南米(同28.7%)とカナダ(同22.5%)を挙げている。