西鉄と日立、交通データを活用した次世代バス事業に関する協創を開始

NO BUDGET

2018-04-27 10:39

 西日本鉄道と日立製作所は4月24日、持続可能な公共交通モデルの構築に向け、次世代バス事業に関する協創を開始したと発表した。協創の第一弾として、ICTを活用したバスダイヤ運行計画支援システムの構築に取り組む。

 バス業界では長時間労働による離職や、採用難など慢性的な乗務員不足の問題を抱えている。西鉄では乗客の利便性向上と乗務員の動労時間短縮を両立した運行ダイヤの最適化に取り組んできたが、ダイヤ編成のもととなる基礎データの分析には大量のデータの抽出や加工作業に膨大な時間を要しており、路線の計画や見直しのための分析が効率的にできず、ダイヤ作成者の大きな負担になっているという課題があったという。

 西鉄と日立は、2016年8月から公共交通の維持と業務の効率化を両立する最適な運行計画の策定を目指し、ICTを活用した次世代バス事業に関するグランドデザインの検討を共同で進めてきた。バスの本数や利用者数を可視化して路線状況を分析するなど、実際のデータを活用した実証を重ねた結果、有効性が確認できたことから、ダイヤ編成の業務を支援するシステムの構築を本格的に開始するに至った。

 具体的には、バスの運行実績やバスの乗降に関する統計データを活用して、停留所ごとの乗車・降車の需要を分析し、出発地・目的地ごとの需要や運行本数、方面別の利用者数などを地図上に可視化するほか、運行経路の需給状況やバス一台ごとの運行状況についても捕捉し、路線の混雑具合や潜在的な需要の把握など、最適なダイヤ編成に向けた取り組みを強化する。


「システムイメージ」

 今後、実際のバス需要を踏まえた運行計画の最適化に向けてシステム化を進め、2019年度のダイヤ改正の計画策定より活用する予定だという。将来的には、気象データや人口統計などのオープンデータとの連携や、AIを活用した需要予測などを検討し、システムの高度化を目指すとしている。


「次世代バス事業の将来計画」

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