Amazon Web Services(AWS)は米国時間5月31日、高速で信頼性が高い完全マネージド型グラフデータベースサービス「Amazon Neptune」の一般公開を開始したと発表した。
Amazon Neptuneは2017年11月に開催された「re:Invent」で発表されたもので、これまで複数の企業がプレビューを利用していた。プレビューには、サムスン、AstraZeneca、Intuit、Siemens、Pearsonなど多様な企業が参加しており、ソーシャルネットワークの構築、不正利用検知、知識グラフ、創薬などさまざまなアプリケーションでテストされたという。
Amazon Neptuneは一般的によく利用されているグラフモデルである「Property Graph」とW3Cの「RDF」に対応しており、それぞれのクエリ言語である「Apache TinkerPop Gremlin」と「SPARQL」をサポートする。また、データが増えるとNeptuneのストレージもダウンタイムなしで自動的に拡張される。
この製品はAWSのインフラを生かした信頼性の高さを売りにしている。耐障害性と自己修復機能を備えており、3つのアベイラビリティゾーンに自動的に6つのデータのコピーが作成され、また連続的にデータが「Amazon S3」にバックアップされる。可用性は99.99%を上回るように設計されており、障害が発生した場合でも、通常は30秒以内にフェイルオーバーが終了するという。また、「Amazon VPC」を使ったネットワークの分離が可能であるほか、「AWS Key Management Service(KMS)」を利用した保存時の暗号化など、セキュリティにも配慮されている。
同サービスの一般提供を伝えるブログ記事によれば、一般リリースにあたって以下のような変更が加えられている。
- 多数のパフォーマンス改善策やアップデート
- 「AWS CloudFormation」に対応
- 「AWS Command Line Interface」およびSDKに対応
- 「Apache TinkerPop」を3.3.2にアップデート
- IAMユーザーとしての「Amazon S3」からのバルクロードに対応
現時点では、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)の4リージョンで利用可能で、2019年には利用できるリージョンが追加される予定になっている。