14機種の一つ「GA-ML8TPoE+」(出典:パナソニックESネットワークス)
パナソニックグループでネットワーク機器、サービスを提供するパナソニックESネットワークス(港区)は2月25日、「PoE Plus給電」にも対応するスイッチングハブの新機種を発表した。全ポートギガビットに対応し、内蔵のネットワークカード(ポート)1つあたり30Wまで給電できるという。主にネットワークカメラや無線LANアクセスポイントの接続用として、4月から全14機種を順次発売する。
PoE(Power over Ethernet)はイーサネットで使用するツイストペアケーブル(UTP)を利用し、接続する機器に電力供給できる機能。対応機器のACアダプタや電源工事が不要。1ポートあたりの給電能力はPoEが最大15.4W、PoE Plusが最大30W。PoE PlusはPoEの上位互換性がある。
新機種では、スイッチングハブを簡単に導入したりメンテナンスしたりできるというパナソニックESネットワークス製のSDN(Software Defined Network)アプリケーション「ZEQUO assist Plus」で提供する「PoE機器オートリブート」機能が製品本体のみで設定できる。
ネットワークカメラなど接続されるPoE機器のフリーズを自動検知、給電を再起動(リブート)するという。カメラフリーズによる録画漏れ、通信集中によるアクセスポイントのフリーズや通信障害など、多くの場合を早期復旧できるとしている。
オートリブートイメージ(出典:パナソニックESネットワークス)
また、それぞれのポートにサージ防護デバイスを搭載。電源コード側から伝わる配線誘導雷サージに加え、10、100、1000BASE-TポートなどのUTPポート側からの配線誘導雷サージ耐性を強化したという。雷の影響を受けやすい屋外用の無線LANアクセスポイントやネットワークカメラを接続する場合などに効果があるとしている。
ネットワークカードが持つ固有のMACアドレスを利用し、端末ごとでのアクセスを制御する「MACアドレス認証」に加え、ウェブブラウザを活用した「ウェブ認証」、認証された通信のみを許可する「IEEE802.1Xユーザ認証」の2つのユーザ認証機能を搭載。ポート単位で複数の認証が可能な「トリプル認証」によって、不正なアクセスを制御するとしている。
トリプル認証イメージ(出典:パナソニックESネットワークス)
そのほか、ループの検知、遮断機能や、複数の回線を同時に使用し速度や耐障害性を向上させる「リンクアグリゲーション」機能、各ポートを流れるIGMPパケットを監視、不要な端末へのデータ送信を制御する「IGMP snooping」機能などを搭載。ネットワーク障害への対策に加え、動画配信などの大容量データを効率的に処理できるとしている。
新機種の特長(出典:パナソニックESネットワークス)
接続する機器の種類によってスイッチングハブを選定しやすいよう、1ポートあたりの平均給電電力30W、15.4W、7Wの3タイプに分類している。30Wモデルの場合、4ポートの「GA-ML4THPoE+」が税別小売価格9万4000円、8ポートの「GA-ML8THPoE+」が13万5000円、12ポートの「GA-ML12THPoE+」が16万6000円で、計3機種。
15.4Wモデルの場合、4ポートの「GA-ML4TPoE+」が7万7000円、8ポートの「GA-ML8TPoE+」が11万5000円、12ポートの「GA-ML12TPoE+」が15万円、16ポートの「GA-ML16TPoE+」が18万円、24ポートの「GA-ML24TPoE+」が22万円で、計5機種。
7Wモデルの場合、8ポートの「GA-ML8TCPoE+」が9万8000円、16ポートの「GA-ML16TCPoE+」が15万4000円、24ポートの「GA-ML24TCPoE+」が19万2000円、48ポートの「GA-ML48TCPoE+」が25万円で、計4機種。
工場や盤内など、一般オフィス向けのスイッチングハブが使用できない高温環境温向けモデルも2機種用意。60度までの動作環境に対応するという。4ポートで計62W給電できる「GA-MLi4TPoE+」が8万9000円、8ポートで計124W給電できる「GA-MLi8TPoE+」が13万3000円。合計で2019年度に1万2000台の販売を目指すとしている。