Alphabetのセキュリティ子会社Chronicle、グーグルの社内ツールをベースに新製品

Laura Hautala (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2019-03-05 10:22

 ロシアのハッカーが2016年に米民主党全国委員会(DNC)のコンピュータネットワークに侵入したが、DNCは手遅れになるまでそのことに気づかなかったと専門家は考えている。結局のところ、検索エンジンのような単純なものを使って、ネットワークをスキャンし、ハッカーに侵入されていないかどうか確認できるわけではない。


 しかし、米国時間3月4日に発表された新製品「Backstory」は、まさにその機能を実現することを目指している。Backstoryの開発元であるChronicleが検索エンジンモデルを採用したのは、意外なことではない。Chronicleは、Googleの社内セキュリティツール群を基盤にしているからだ。

 Chronicleの最高セキュリティ責任者(CSO)であるMike Wiacek氏は発表イベントで、「DNCのネットワークにBackstoryがあれば、ハッカーの活動を検知して、阻止することができていただろう」と述べた。

 Backstoryは、Wiacek氏とChronicleの共同創設者らがGoogleの社内サイバーセキュリティツール群に目を付けて、それらをほかの企業でも利用可能にする方法を発見したときに誕生した。Chronicleは、Googleの親会社Alphabetの研究部門「X」から分離独立した企業だ。

 Backstoryは、Chronicleの顧客から提供される膨大な量の情報を保存することによって機能する。それらの情報は、企業ネットワークで発生するあらゆることの記録であり、特定のコンピュータがどのウェブサイト(ESPN.comも、ロシアのマルウェアを配信することで知られるウェブサイトも対象になる)に接続するか、といったデータも含まれる。

 Chronicleの共同創設者のStephen Gillett氏は、「姉妹会社」のGoogleがBackstoryによってスキャンされたデータにアクセスできないことを強調した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  5. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]