Googleは米国時間4月4日、新しく発表したばかりの人工知能(AI)倫理諮問委員会を解散すると述べた。Googleが選定した一部の委員について、1週間以上にわたり批判の声が上がっていた。
Googleは3月、顔認識や機械学習の公平性などの難しい問題を含めて、論争を巻き起こしている同社のAIプロジェクトを指導することを目的に、社外の専門家で構成される諮問委員会「Advanced Technology External Advisory Council(ATEAC)」を設置すると発表した。しかし発表から間もなく、この諮問委員会をめぐる論争が起こった。
委員の1人であるヘリテージ財団のKay Cole James所長が、LGBTQや移民に反対しているとして非難された。Googleの従業員で構成される団体「Googlers Against Transphobia and Hate」は1日、James氏を同委員会から除名することを求める嘆願書を公開した。2000人を超えるGoogle従業員がこれに署名したとされる。同じく委員に選定されていた行動主義経済学者でプライバシー研究者のAlessandro Acquisti氏は、既に諮問委員会参加の招待を辞退すると表明している。
Googleの担当者は声明で、「現在の状況では、ATEACがわれわれの期待どおりに機能しえないことが明らかだ」と述べた。「そのため、この諮問委員会を解散し、白紙に戻す。今後も、AIが提起する重要な問題に対するわれわれの取り組みに責任を持ち、この問題について外部の意見を得るさまざまな方法を探っていく」
ウェブサイトのVoxが、この件について先に報じていた。
Googleの国際問題担当シニアバイスプレジデントを務めるKent Walker氏は先週、この諮問委員会の設置を発表した際に、この取り組みが「当社の活動とより広範な技術業界の両方に有益な情報をもたらす」ことに期待したいと述べていた。委員の任期は2019年までで、4回の会合を開く予定とされていた。またGoogleは、これらの会合に基づく報告書を公開すると述べていた。
提供:James Martin/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。