日本マイクロソフトは4月22日、2020年までの注力分野に掲げたイノベーション(変革)の1つであるワークライフスタイルイノベーション(働き方改革)の一環として、「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」を実施することを発表した。8月すべての金曜日を休業日とし、社員約2100人の特別有給休暇に指定する。
日本各地にある全オフィスを閉じ、社員は「自己成長と学びの視点」「私生活やファミリーケアの視点」「社会参加や地域貢献の視点」の3つからなる社員支援プログラムも合わせて実施する。
代表取締役 社長 平野拓也氏は「支援制度を利用し、これまでにない働き方&ライフスタイルを実践してほしい」と語る。同プロジェクトは行政主導で実施する「テレワーク・デイズ2019」(7月22日~9月6日)に合わせて実施するが、週勤4日&週休3日制トライアルは2020年8月も実施する予定だ。
日本マイクロソフト 代表取締役社長 平野拓也氏
「週勤4日&週休3日制」に対しては、数年前から多様な意見が上げられている。一部の海外企業が導入し、2017年4月にはヤフーが週休3日制度を導入したことは記憶に新しい。一部の調査では週休2日制は非効率で、週休3日制を導入することで社員のストレス軽減や生産性向上につながるという調査もある。
他方で日本の生産年齢人口は2025年に7230万人(労働政策研究・研修機構発表)と減少し、働き方自体の見直しも広がりつつある。だが、新たな制度の導入は遅々として進まないケースが多い。
日本マイクロソフトはイノベーター理論に沿って説明し、イノベーターは2.5%、アーリーアダプター13.5%の合計である16%を「普及率の壁」と定義。7230万人×50%(ミレニアル人口率)×16%(普及率の壁)=580万人と計算。執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員 手島主税氏は「働き方の変化を牽引(けんいん)するWSI(WorkStyle Innovation)エージェントになってなってもらう」と取り組みの背景を説明した。
日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員 手島主税氏
同プロジェクトの概要は、ワークライフチョイス推進の機会を増やすための週勤4日&週休3日制トライアルと、同実践を促すワークライフチョイス社員支援プログラムの2つから成り立つ。週勤4日&週休3日制トライアルは2019年8月限定(2020年も実施予定)の取り組みだが、問題はパートナー企業である。
8月2日、9日、16日、23日、30日を休業日として全オフィスをクローズする予定だが、日本マイクロソフトと取り引きのある企業側は必然的に対応せざるを得ない。平野氏は「前向きな意味でディスラプション(破壊)を起こしたい。もちろん突然の実施は迷惑になるため事前に説明するが、パートナーの方々には『こんな働き方もある』と気付きを提供したい」と説明する。