水曜日ではなく金曜日を選択した理由もディスラプトが多く影響する。平野氏は「金曜土曜日曜と連続して(支援プログラムに)取り組める」からだと述べた。ただし、コンサルティング部門やカスタマーサポート部門などトラブル発生時や顧客対応に関しては「シフトを組んで別の期間に休めるように配慮」(平野氏)するという。

社員支援プログラムの概要。各支援は組み合わせによって最大10万円の補助金が支給される
同プロジェクトには「多様なライフスタイルに合わせて選択できる考え方」がある。平野氏は「自分のキャリアを振り返ると、ライフスタイルステージに応じて求められるものが異なってきた。社員も多様なスキルを磨きたい、社会ネットワークを築きたい、社会貢献したいと多様な考え方を持っている。企業のルールを一律に社員全員へ押し付けるのは疑問だ。人生で生きがいを感じ、仕事で大きなインパクトを出せる環境が必要」と背景を語った。
同社は同プロジェクトの狙いとして「短い時間で働き(生産性の向上)、よく休み、よく学ぶ(創造性の向上)」とのキャッチコピーを用意したが、米国本社など他国では実施しない日本独自の取り組みだと説明する。
平野氏は「日本は独自文化が強く、他国に比べると会議への参加数やメールのCC人数は他国を大きくしのぐ。(同プロジェクトを通じて)改善できると思う」と分析。米国本社の評価についても「日本のビジネス変革やクラウド普及率を踏まえて、本社も気付いている。本社役員の間でも『ワークスタイルイノベーション』は認知されるようになった。結果として米国本社も(日本の働き方改革を)コピー&ペーストしているのかな、という印象を持っている」と語った。
日本マイクロソフトは同プロジェクト実施後に効果測定を予定している。削除や最小化を目標とする「削除系」、活性化や増加を目標とする「向上系」、社員の気持ちや印象を確認する「満足系」の3点から「経験を顧客と共有し、働き方やライフスタイルに貢献するか情報発信していく」(平野氏)

効果測定のチェック要素
副業も許可する同社は、同プロジェクトの効果として「たとえばスキル学習時間を用意する企業文化に結びつけばよい」(平野氏)と可能性を示しつつ、社員に対して「支援制度を利用して、これまでにない働き方&ライフスタイルを実践してほしい」(平野氏)とエールを送った。