世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)は、2022年までに全従業員がスキルアップを求められる割合は54%、4人中1人は現状のビジネスとスキルのミスマッチが発生するという調査結果を明らかにしている。日本企業も従業員のスキルアップ向上を求められるようになっている。
こうした需要に応えられるものとして期待されているのが、誰でも講師になりコースを作って知識や技能を共有できるオンライン学習、指導マーケットプレイス「Udemy(ユーデミー)」だ。Udemyは現在、世界190カ国以上、受講者数は3000万人以上、50以上の言語に対応した講座数も10万以上を数える。
Udemyから取得したデータをもとに約3000の講座をサブスクリプションモデルで法人に提供するのが「Udemy for Business」だ。2015年からUdemyと提携しているベネッセコーポレーションが、この6月からUdemy for Businessの提供を開始。トヨタ自動車グループの総合商社である豊田通商(従業員数は単体で3485人、連結で5万8565人)がすでに活用を始めている。
コーナーストーンオンデマンドは7月10日にスキルベースの人材戦略をテーマにしたイベント「CONVERGE TOKYO 2019」を都内で開催。「社内水準を世界水準に引き上げる これからの時代に求められる社員研修のポイントとは?」と題された講演にUdemyとベネッセ、豊田通商が登壇した。
Udemy 日本市場責任者 Issei Suzuki氏
Udemy 日本市場責任者 Issei Suzuki氏は「(Deloitte Consultingの調査データをもとに)今は新しいスキルを身に付けても5年で価値が半減するといわれている。変化が激しいなかで学び続けるのが重要だ」と説明。「労働期間の延長に伴い、異なる世代や異なる働き方など多様化が加速し、画一的なコンテンツの提供は通用しなくなった。一人ひとりの需要にあわせて学べるサービスが議論が集まる」と自社サービスの有用性を提示した。
ここでUdemyのコンテンツを少々さかのぼってみたい。たとえば国内でBitcoinに注目が集まり始めたのは2017年ごろだが、Udemyでは関連コンテンツが2013年4月から用意されていた。開発者にはおなじみの「React.js」も同時期である。
Suzuki氏は「知らない、学ぶ機会がないだけで競争力を失うほど残念なことはない」と学びの価値を強調しつつ、国内のビジネス展開としてITスキルやデータ活用スキル、ビジネス&コミュニケーションといったコンテンツの幅を拡大することを改めて表明した。
講演の後半は豊田通商 IT戦略部グループリーダー 北川英弘氏がUdemy for Businessを早期に導入した理由などを説明した。ベネッセのベネッセコーポレーション大学社会人事業開発課 法人営業マネージャー 中谷健太氏が聞き手を務めた。