北川氏はUdemy for Businessを早期導入した理由について「われわれはトヨタグループの一員として100年に一度の自動車大変革を迎えている。グループを挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいるが、課題となったのはリードできる人材の育成だった。ビジネスとITの知見や経験を持つハイブリッド人材を育てなければならない」と説明した。
さらにもう1つの理由として、「弊社は多くの事業ドメインが存在するが、A事業部ならブロックチェーン、B事業部なら機械学習や深層学習を突き詰めたいという部署ごとの需要がある。対応をIT部門に求められ困窮していた。その結果として、最新技術はUdemy for Businessを通じてセルフラーニングの提供に至った」(北川氏)

(左から)ベネッセコーポレーション ベネッセコーポレーション大学社会人事業開発課 法人営業マネージャー 中谷健太氏
豊田通商 IT戦略部 グループリーダー 北川英弘氏
早期導入した背景には「昔から必要だという声は上がっていた。ただ、大きく異なるのはスピード感。以前ならほかの企業の成功体験をまねるだけでも間に合ったが、今は違う。自分たちで(最新技術を)吸収しなければ追いつけない。危機感が変化した」(北川氏)と社会変革による状況変化が大きかったそうだ。
企業全体の統一研修ではなく、従業員一人ひとりが能動的に取り組むセルフラーニングを選択した豊田通商だが、必ずしも万人が積極的に取り組むとは限らない。
このことについて北川氏は「あくまでも私見だが『何もしない人』はいるだろう。だが、100人中5人でも効果が出ればよいと思っている。弊社では伸びる人をさらに伸ばす『トップアップ』というキーワードがあり、彼らがDXを起こしてビジネス変革から収益につながれば取り組みは成功だ」と前向きな姿勢を示した。
Udemy for Businessに対する期待値として北川氏は「最新かつ幅広いコンテンツに期待している。(英語に抵抗感を覚える従業員でも学びを重ねた先には)英語でも学びたいという情報がある。私はダウンロードしたコンテンツを通勤中に視聴しているが、一時停止や字幕を追加できるため、ある程度ストレスなく学べた。また、就業中にPCで視聴したいという方など、人それぞれの効果的な学び方を選択してほしい」と述べ、企業における学習環境整備の重要性を力説した。