データウェアハウス(DWH)大手の日本テラデータは11月20日、2020年に向けたビジネス戦略と米本社Teradataが10月に開催した年次カンファレンス「Teradata Universe 2019」で発表した新製品と新サービスの提供開始を都内で発表した。
米国時間11月7日に米本社最高経営責任者(CEO)であるOliver Ratzesberger(オリバー・ラッゼスバーガー)氏が退任し、前CEOであるVictor Lund(ビクター・ランド)氏が暫定プレジデント兼CEOに就任しているが、日本テラデータ代表取締役社長 高橋倫二氏はCEOの交代について「(Ratzesberger氏とLund氏の)2人の間に戦略ギャップはなく、製品ロードマップも変更はない」と語る。
今回の記者会見では(1)「Vantage on Google Cloud Platfom」(2)「Consumption(Pay-as-You-Go) Pricing」(3)「Native Support for Low-Cost Storage」(4)「Hadoop Migration Service」(5)「Vantage Analyst」(6)「Vantage Customer Experience」――という6つのサービスや新製品をアナウンスした。
Vantage on Google Cloud Platfomは、文字どおりTeradata Vantage(Vantage)のGoogle Cloud Platfom(GCP)版。これでAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、GCPと主要な3つのパブリッククラウドでVantageが利用可能となった。Vantageは従来のDWH向けデータベースである「Teradata Database」の後継。パブリッククラウドでも稼働する。
日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部長 小永井崇氏
Vantage on GCPは2020年上半期にプライベートプレビューのリリースを予定している。日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部長 小永井崇氏は「GCPを標準プロバイダーとしている顧客やマルチクラウドを検討している顧客向け」と説明した。
Consumption Pricingは既存の料金体系に、ミリ秒単位でCPU利用率にデータ容量を組み合わせた利用分だけを支払う消費型モデル(Pay-as-You-Go)を新たに追加するもの。コンソールダッシュボードで利用料金などを確認し、あらかじめ指定した、しきい値に達するとアラートを飛ばすことも可能。
先行投資を抑制したいケースや部門単位の利用、月末のバッチ処理など利用シーンに向いているだろう。このオプションは現時点で限定的に提供を開始しているが、正式提供は2020年上半期を予定している。
Native Support for Low-Cost Storageは、オブジェクトストレージサービスのAmazon Simple Storage Service(S3)やMicrosoft Azure Blob Storageなどにネイティブ接続するNOS(Native Object Storage)機能を追加ライセンス不要で利用可能にするオプション。「Vantageを通してオブジェクトストレージに格納した最新データの分析が可能。Google Cloud Storageへの対応も予定している」(小永井氏)