スーパーコンピューター「富岳」、TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500で世界1位に

ZDNET Japan Staff

2020-06-23 10:06

 理化学研究所(理研)と富士通は、理研が運用するスーパーコンピューターシステム「富岳」が、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の性能評価となる「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」で世界1位を獲得したと発表した。富岳は2021年度の共用開始を予定している。

2021年度から共用される「富岳」システム(出典:理化学研究所)
2021年度から共用される「富岳」システム(出典:理化学研究所)

 TOP500では、富岳システム全体の約95.6%となる396筐体(15万2064ノード)の構成により、LINPACK性能で415.53ペタフロップス、実行効率で80.87%を記録した。TOP500での首位は「京」が獲得した2011年11月以来となる。

 HPCG(High Performance Conjugate Gradient)は、共役勾配法の処理速度の国際的なランキングに当たり、測定では全体の約87%となる360筐体(13万8240ノード)で1万3400テラフロップスを記録した。HPL-AIは、2019年9月に制定された人工知能(AI)計算などで活用される単精度や半精度演算器などの能力も加味した計算性能を評価する。測定には全体の約79.7%に当たる330筐体(12万6720ノード)を用い、1.421エクサフロップスを記録した。

 ビッグデータ解析などの性能評価となるGraph500では、理研と富士通、九州大学、フィックスターズによる共同研究グループが測定を行った。全体の約58%に当たる9万2160ノードを用いて、約1兆1000億個の頂点と17兆6000万個の枝から構成される超大規模グラフに対する幅優先探索問題を平均0.25秒で解くことに成功した。Graph500スコアは7万980ギガテップスで、京の測定結果の3万1302ギガテップス(2019年6月時点)の2倍以上の性能向上を達成した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]