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新着記事集:「負荷分散」

アップル「M1」搭載Macが機械学習ワークステーションの選択肢に?

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2020-11-20 13:23

 先日、筆者は友人たちと話をしていて、最近のマシンにはどのくらいの計算能力が必要かという話題になった。結局、オフィスワーク程度なら「Chromebook」で十分という結論になったが、機械学習に本格的に関わっているプログラマーなら、最大限のCPU処理能力を必要とするはずだと私は言った。機械学習向けのエントリーレベルのワークステーションで、例えば「HP Z6 G4 Workstation」、シングル28コアの2.0 GHz Intel Xeon Platinumプロセッサー、48GBのRAM、500GBの2.5インチSSD、「NVIDIA GeForce RTX 2080Ti」、OSは「Ubuntu Linux 20.04」などの構成が考えられるかもしれない。Appleの「Mac」は選択肢になるだろうか?

 実際のところ、これは冗談ではない。GoogleのTensor Processing Units(TPU)テクニカルプログラムマネージャーのPankaj Kanwar氏によれば、Appleの新チップ「M1」を搭載したMacで、TensorFlowのトレーニングは優れたパフォーマンスを発揮した。

 TensorFlowは、Googleが開発した人気の高いオープンソースの機械学習プラットフォームだ。機械学習(ML)や人工知能(AI)の分野では、多くの人がTensorFlowを使っている。

 Kanwar氏と、GoogleでTensorFlow、AI/ML、量子AIの製品マーケティングを率いるFred Alcober氏は、Mac用に最適化された「TensorFlow 2.4」を13インチのM1搭載「MacBook Pro」試作機(16GBのRAM、256GBのSSD)で走らせたところ、Intelチップ搭載機と比べて、パフォーマンスが劇的に向上することが分かったとしている。

 M1搭載MacBook Pro試作機(8コアのCPU、8コアのGPU、16コアのニューラルエンジン)と、1.7GHzクアッドコア「Intel Core i7」を搭載した13インチの量産型MacBook Pro(「Intel Iris Plus Graphics 645」、16GBのRAM、2TBのSSD)が利用された。

 また、3.2GHz 16コア「Intel Xeon W」を搭載した量産型Mac Pro(32GBのRAM、「AMD Radeon Pro Vega II Duo」グラフィックス、64GBのHBM2、256GBのSSD)で、プレリリース版の「macOS Big Sur」、TensorFlow 2.3とプレリリース版のTensorFlow 2.4を利用して実施したテストの結果も明らかにされている。

 新Macが高パフォーマンスを示した理由は、単にM1が競合するIntelチップよりはるかに早いというだけではない。Apple版のTensorFlow 2.4はM1用に最適化されている。古いマシンで古いソフトウェアを動かしている場合と比べて、改良版のハードウェアで改良版のソフトウェアを動かしている環境では、TensorFlowは数倍の処理速度を達成した。

 さらに、Appleの新しい「ML Compute」フレームワークがMacでTensorFlowモデルのトレーニングに使用され、M1搭載MacとIntelチップ搭載Macの両方で、高速CPUとGPUの性能を最大限に引き出すことができる。

 ML ComputeをTensorFlowとTensorFlowアドオンのバックエンドとして使用する場合、既存のTensorFlowスクリプトを変更する必要はない。まずAppleのGitHubリポジトリーでインストラクションをダウンロードし、Mac用に最適化されたTensorFlow 2.4フォークをインストールする。Googleはこの新バージョンを近くTensorFlowのマスターブランチに統合するとみられる。

 それでもなお、HP Z6 G4 WorkstationのパフォーマンスはM1搭載Macbook Proを上回るのではないかと筆者は考えている。しかし、Macを選択肢として考えたこともないという機械学習関係者にとっては、新Macは一考の余地があるはずだ。唯一の懸念は、第1世代のM1搭載Macのアップグレードは簡単にいかない可能性があるという点だが、それを考慮しても新Macは一考の価値があるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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