海外コメンタリー

コロナ禍で下した判断はこの先も有効か--今テクノロジーをどう見直すべきか

Forrester Research (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-05-14 06:30

 コロナ危機の初期には、経済の不透明感が高まるなか、多くの企業が四苦八苦しながら顧客や従業員に新しい経験を提供した。それは時間との競争、生き残るための競争のように思えた。事実、廃業を余儀なくされた企業も多い。Forresterの予測では、Fortune 500企業の実に20%は2021年を乗り切れない。

 企業のテクノロジー戦略はおおむね2つのグループに分けることができる。まずはリーダーのグループだ。このグループに属する企業にとって、パンデミックはすでに計画されていたデジタルトランスフォーメーションや支出を加速させたにすぎない。各社はパンデミック前に策定していた計画に調整を加え、数週間のうちに対応した。プロセスをすばやくデジタル化し、既存のテクノロジーロードマップをもとにビジネスモデルを見直した。そして目覚ましい成果を上げ、ライバルに水をあけた。

 もう一方のグループにとって、パンデミックは混乱以外の何ものでもなかった。各社は不意を突かれ、「サバイバルモード」に陥り、あわてふためきながらテクノロジーに関する判断を下した。その結果、時にはパンデミック前に策定したテクノロジー戦略ロードマップには含まれていなかったテクノロジーまで導入した。多くの企業が、顧客の差し迫ったニーズに対応するために場当たり的に行動し、既存のシステムをAPIでつぎはぎした。このグループの企業は、リモートワークに移行した従業員たちに必要なツールをうまく提供できなかった。

 多くの企業が「ニューノーマル」に戻りつつある今、企業のテクノロジーリーダーに自問してほしいのは、こんな質問だ。「1年前に下した判断は、現在の、そして将来のビジネスにとっても有効だろうか。デジタルに関して、見直すべき判断はないだろうか」

 Forresterの分析では、テクノロジー投資が生産性に与える影響はこの20年間、縮小し続けている。そしてコロナ危機によってもう1つ、望ましくない結果が生じた。「デジタル同一性」だ。デジタル同一性とは、いくらデジタルソリューションに投資しても、結局は競合他社と似通ったものしか生み出せない状況を指す。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]