国保旭中央病院(千葉県旭市)は、日本IBMの支援を受け、スマートホスピタル構想の実現を目指し、ヘルスケアサービス向けデジタルサービスプラットフォームを利用した情報基盤の構築を開始した。
新しい情報基盤は、既存システムと同プラットフォームを連携させることで柔軟な情報活用を可能にし、患者や他の産業とデジタルでつながりやすくなる。国保旭中央病院と日本IBMは、このプラットフォームを活用することにより、保険給付のデジタル化、病院業務の効率化、患者の利便性向上といった病院を中核としたデジタル変革に取り組んでいく。
取り組みの第一弾として、民間保険会社への保険給付に必要とされる診断書・証明書の発行をデジタル化するサービスの共同開発を目指す。
これにより、保険給付の手続きを行う患者は、診療データの入力が容易になるほか、紙での申込みや受け渡しなどが省略されるなど利便性が向上する。また、医療機関では患者との手続きが簡略化されたり、必要なデータをデジタルで入手することにより、事務効率化や業務の流れの最適化を図ることができる。
さらに、将来的に保険会社と連携した場合には、給付側の業務効率の向上や給付に必要な時間短縮といった効果が見込まれる。
なお同病院は、現在「IBM Clinical Information System」を活用した電子カルテシステムを利用している。ヘルスケアサービス向けデジタルサービスプラットフォームは、IBMのパブリッククラウドであるIBM Cloud上で稼動しており、既存システムと安全に連携される仕組みを実装できるとする。今後は、医療情報交換の国際標準規格「FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)」に準拠したサービスで標準化することにより、共通サービスとして利用できるよう検討していく。