Javaアプリケーションフレームワークの「Spring Framework」で、遠隔から任意のコードを実行される恐れのある脆弱性が報告された問題で、開発元は米国時間3月31日、脆弱性を修正したアップデートと情報を公開した。ユーザーに早期の適用を呼び掛けている。
今回の脆弱性は、JDK 9以上で実行されるSpring MVCおよびSpring WebFluxに存在し、脆弱性の共通識別子(CVE)は「CVE-2022-22965」になる。VMwareによれば、影響度は「クリティカル」、共通脆弱性評価システム(CVSS)V3による評価では「9.8」(最高は10.0)となっている。
開発元によれば、3月29日にAntGroup FGの「codeplutos」氏と「meizjm3i」氏からVMwareに報告があり、影響調査を進めてきたという。セキュリティ研究者らにより「Spring4Shell」という通称も与えられた。
脆弱性の影響を受けるのは、Spring Framework 5.3.0~5.3.17および5.2.0~5.2.19と、既にサポートされていない古いバージョン。脆弱性を悪用する手法によって、Apache Tomcatをサーブレットコンテナーとして利用していること、WARとしてパッケージ化していること、spring-webmvcもしくはspring-webfluxに依存していることも条件として挙げられている。
なお、アプリケーションがSpring Bootの実行可能なjarファイルとして展開されている場合は脆弱ではないとされている。ただ、これらの条件は一般的なものであるといい、悪用する手法によっては脆弱性の影響が生じる可能性があるという。
脆弱性を修正したアップデートバージョンは、Spring Framework 5.3.18および5.2.20になる。また、Spring Framework 5.3.18に依存する場合は、Spring Bootについても新たにリリースされたバージョン2.6.6および2.5.12を適用する必要があるとのこと。開発元は、すぐに修正を適用できないユーザー向けに脆弱性の影響を緩和する方法も紹介している。